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赤色・茶褐色・ピンク/赤系の色名と補色

赤色・茶褐色・ピンク/赤系の色名と補色

赤色・茶褐色・ピンク/赤系の色名と補色,赤は自然界では「花」や「実」、もしくは紅葉などでみられる色です。とても目立つ華やかな色ですね。この色を見ると、自然に注意がひかれます。同時に少し昂った気持ちにもなります。こうした特性があるため、一般的に赤は、注意をひくシグナルカラーで使われたり、華やかさの演出に使われたりします。

赤色の彩度や明度を落としていくと、茶褐色になります。茶褐色は、大地や樹木などの色です。とても安定感を感じる色ですね。実際、絵具では、茶褐色の原料は「土」が使用されていることが多いです。オーカーとかシエナとかアンバーとか。なので、茶褐色の色は、不透明でお値段も安く、堅牢度が高いものが多いです。

赤色の明度を上げていくと、ピンクやベージュといった肌に近い色になっていきます。ピンクやベージュといった色は、ソフトでやさしく、かわいらしい印象の色です。

このページでは、色材としての赤を扱っています。真っ赤な赤だけではなく、一般的に赤と言われる範囲+茶褐色系およびピンク〜ベージュまでを紹介しています。色相で[紫みの赤(マンセル値:1pR)]から[黄色みがかった赤(マンセル値:10yR)]までです。

赤の補色は何色?

補色は混色すると黒に近いグレーになる組み合わせです。色相環なら反対の位置にある色になり、配色で使用すると二つの色がより鮮やかに見える組み合わせです。彩度が高いとギラついた感じになってしまいますが、明度を調整することでアクセントのある魅力的な組み合わせにもなります。(補色について詳しくはこちら

赤系の補色

色を体系的に学ぶ

1、色相・彩度・明度、表色系で色を知る

2、色相環とは? 配色に便利な色相環をつくろう

3、補色(反対色)の効果と組み合わせ

4、混色の種類と絵具の混色

5、色の見え方、対比と同化

6、暖色・寒色・膨張色など

7、色のイメージと心理効果

8、目立つ色・見えやすい配色は?色の視認性

他の色を見る <赤系> <黄色系> <緑系> <青系> <紫系> <色鉛筆の色名(JIS)とマンセル値対応表>

赤色・茶褐色・ピンク/赤系の色名と補色,
赤の種類・一般的な色の名前

JIS規格で定められている物体色名です。色鉛筆の場合は「色鉛筆のJIS規格対応表」の方が正確なので、そちらを見てください。

1、外来色名(JIS物体色名)

慣用色名系統色名色相(H)明度(V)彩度(C)
ローズレッド
rose red
あざやかな紫みの赤
vv-pR
7.5RP512
ローズピンク
rose pink
明るい紫みの赤
lt-pR
10RP78
コチニールレッド
cochineal red
あざやかな紫みの赤
vv-pR
10RP412
ルビーレッド
ruby red
あざやかな紫みの赤
vv-pR
10RP414
ワインレッド
wine red
こい紫みの赤
dp-pR
10RP39
バーガンディー
burgundy
ごく暗い紫みの赤
vd-pR
10RP22.5
オールドローズ
old rose
やわらかい赤
sf-R
1R66.5
ローズ
rose
あざやかな赤
vv-R
1R514
ストロベリー
strawberry
あざやかな赤
vv-R
1R414
コーラルレッド
coral red
明るい赤
lt-R
2.5R711
ピンク
pink
やわらかい赤
sf-R
2.5R77
ボルドー
bordeaux
ごく暗い赤
vd-R
2.5R2.53
ベビーピンク
baby pink
うすい赤
pl-R
4R8.54
ポピーレッド
poppy red
あざやかな赤
vv-R
4R514
シグナルレッド
signal red
あざやかな赤
vv-R
4R4.514
カーマイン
carmine
あざやかな赤
vv-R
4R414
レッド
red
あざやかな赤
vv-R
5R514
トマトレッド
tomato red
あざやかな赤
vv-R
5R514
マルーン
maroon
暗い赤
dk-R
5R2.56
バーミリオン
vermilion
あざやかな黄みの赤
vv-yR
6R5.514
スカーレット
scarlet
あざやかな黄みの赤
vv-yR
7R514
テラコッタ
terracotta
くすんだ黄みの赤
dl-yR
7.5R4.58
サーモンピンク
salmon pink
やわらかい黄みの赤
sf-yR
8R7.57.5
シェルピンク
shell pink
ごくうすい黄赤
vp-O
10R8.53.5
ネールピンク
nail pink
うすい黄赤
pl-O
10R84
チャイニーズレッド
chinese red
あざやかな黄赤
vv-O
10R615
キャロットオレンジ
carrot orange
つよい黄赤
st-O
10R511
バーントシェンナ
burnt sienna
くすんだ黄赤
dl-O
10R4.57.5
チョコレート
chocolate
ごく暗い黄赤
vd-O
10R2.52.5
ココアブラウン
cocoa brown
暗い灰みの黄赤
dg-O
2YR3.54
ピーチ
peach
明るい灰みの黄赤
lg-O
3YR83.5
ローシェンナ
raw sienna
つよい黄赤
st-O
4YR59
オレンジ
orange
あざやかな黄赤
vv-O
5YR6.513
ブラウン
brown
暗い灰みの黄赤
dg-O
5YR3.54
アプリコット
apricot
やわらかい黄赤
sf-O
6YR76
タンtanくすんだ黄赤
dl-O
6YR56
マンダリンオレンジ
mandarin orange
つよい赤みの黄
st-rY
7YR711.5
コルク
cork
くすんだ赤みの黄
dl-rY
7YR5.54
エクルベージュ
ecru beige
うすい赤みの黄
pl-rY
7.5YR8.54
ゴールデンイエロー
golden yellow
つよい赤みの黄
st-rY
7.5YR710
マリーゴールド
marigold
あざやかな赤みの黄
vv-rY
8YR7.513
バフ
buff
やわらかい赤みの黄
sf-rY
8YR6.55
アンバー
amber
くすんだ赤みの黄
dl-rY
8YR5.56.5
ブロンズ
bronze
暗い赤みの黄
dk-rY
8.5YR45
ベージュ
beige
明るい灰みの赤みを帯びた黄
lg-rY
10YR72.5
イエローオーカー
yellow ocher
こい赤みの黄
dp-rY
10YR67.5
バーントアンバー
burnt umber
ごく暗い赤みの黄
vd-rY
10YR33
セピアsepiaごく暗い赤みの黄
vd-rY
10YR2.52

色を体系的に学ぶ

1、色相・彩度・明度、表色系で色を知る

2、色相環とは? 配色に便利な色相環をつくろう

3、補色(反対色)の効果と組み合わせ

4、混色の種類と絵具の混色

5、色の見え方、対比と同化

6、暖色・寒色・膨張色など

7、色のイメージと心理効果

8、目立つ色・見えやすい配色は?色の視認性

他の色を見る <赤系> <黄色系> <緑系> <青系> <紫系> <色鉛筆の色名(JIS)とマンセル値対応表>

2、和色名(JIS物体色名)

慣用色名系統色名マンセル値
鴇色
とき色
明るい紫みの赤
lt-pR
7RP7.5/8
躑躅色
つつじ色
あざやかな紫みの赤
vv-pR
7RP5/13
桜色
さくらいろ
ごくうすい紫みの赤
vp-pR
10RP9/2.5
薔薇色
ばら色
あざやかな赤
vv-R
1R5/13
韓紅
からくれない
あざやかな赤
vv-R
1.5R5.5/13
珊瑚色
さんご色
明るい赤
lt-R
2.5R7/11
紅梅色
こうばいいろ
やわらかい赤
sf-R
2.5R6.5/7.5
桃色
ももいろ
やわらかい赤
sf-R
2.5R6.5/8
紅色
べにいろ
あざやかな赤
vv-R
3R4/14
紅赤
べにあか
あざやかな赤
vv-R
3.5R4/13
臙脂
えんじ
つよい赤
st-R
4R4/11
蘇芳
すおう
くすんだ赤
dl-R
4R4/7
茜色
あかねいろ
こい赤
dp-R
4R3.5/11

あか
あざやかな赤
vv-R
5R4/14
朱色
しゅいろ
あざやかな黄みの赤
vv-yR
6R5.5/14
紅樺色
べにかばいろ
暗い黄みの赤
dk-yR
6R4/8.5
紅緋
べにひ
あざやかな黄みの赤
vv-yR
6.8R5.5/14
鉛丹色
えんたんいろ
つよい黄みの赤
st-yR
7.5R5/12
紅海老茶
べにえびちゃ
暗い黄みの赤
dk-yR
7.5R3/5
鳶色
とび色
暗い黄みの赤
dk-yR
7.5R3.5/5
小豆色
あずきいろ
くすんだ黄みの赤
dl-yR
8R4.5/4.5
弁柄色
べんがらいろ
暗い黄みの赤
dk-yR
8R3.5/7
海老茶
えびちゃ
暗い黄みの赤
dk-yR
8R3/4.5
金赤
きんあか
あざやかな黄赤
vv-O
9R5.5/14
赤茶
あかちゃ
つよい黄赤
st-O
9R4.5/9
赤錆色
あかさびいろ
暗い黄赤
dk-O
9R3.5/8.5
黄丹
おうに
つよい黄赤
st-O
10R6/12
赤橙
あかだいだい
あざやかな黄赤
vv-O
10R5.5/14
柿色
かきいろ
つよい黄赤
st-O
10R5.5/12
肉桂色
にっけいいろ
くすんだ黄赤
dl-O
10R5.5/6
樺色
かばいろ
つよい黄赤
st-O
10R4.5/11
煉瓦色
れんが色
暗い黄赤
dk-O
10R4/7
錆色
さびいろ
暗い灰みの黄赤
dg-O
10R3/3.5
慣用色名系統色名マンセル値
檜皮色/桧皮色
ひわだいろ
暗い灰みの黄赤
dg-O
1YR4.3/4
栗色
くりいろ
暗い灰みの黄赤
dg-O
2YR3.5/4
黄赤
きあか
あざやかな黄赤
vv-O
2.5YR5.5/13
代赭
たいしゃ
くすんだ黄赤
dl-O
2.5YR5/8.5
駱駝色
らくだ色
くすんだ黄赤
dl-O
4YR5.5/6
黄茶
きちゃ
つよい黄赤
st-O
4YR5/9
肌色
はだいろ
うすい黄赤
pl-O
5YR8/5
橙色
だいだいいろ
あざやかな黄赤
vv-O
5YR6.5/13
慣用色名系統色名マンセル値
灰茶
はいちゃ
暗い灰みの黄赤
dg-O
5YR4.5/3
茶色
ちゃいろ
暗い灰みの黄赤
dg-O
5YR3.5/4
焦茶
こげちゃ
暗い灰みの黄赤
dg-O
5YR3/2
柑子色
こうじ色
明るい黄赤
lt-O
5.5YR7.5/9
杏色
あんずいろ
やわらかい黄赤
sf-O
6YR7/6
蜜柑色
みかんいろ
あざやかな黄赤
vv-O
6YR6.5/13
褐色
かっしょく
暗い黄赤
dk-O
6YR3/7
土色
つちいろ
くすんだ赤みの黄
dl-rY
7.5YR5/7
小麦色
こむぎいろ
やわらかい赤みの黄
sf-rY
8YR7/6
琥珀色
こはく色
くすんだ赤みの黄
dl-rY
8YR5.5/6.5
金茶
きんちゃ
こい赤みの黄
dp-rY
9YR5.5/10
卵色
たまごいろ
明るい赤みの黄
lt-rY
10YR8/7.5
山吹色
やまぶきいろ
あざやかな赤みの黄
vv-rY
10YR7.5/13
黄土色
おうどいろ
くすんだ赤みの黄
dl-rY
10YR6/7.5
朽葉色
くちばいろ
灰みの赤みを帯びた黄
mg-rY
10YR5/2

色を体系的に学ぶ

1、色相・彩度・明度、表色系で色を知る

2、色相環とは? 配色に便利な色相環をつくろう

3、補色(反対色)の効果と組み合わせ

4、混色の種類と絵具の混色

5、色の見え方、対比と同化

6、暖色・寒色・膨張色など

7、色のイメージと心理効果

8、目立つ色・見えやすい配色は?色の視認性

他の色を見る <赤系> <黄色系> <緑系> <青系> <紫系> <色鉛筆の色名(JIS)とマンセル値対応表>

赤色・茶褐色・ピンク/赤系の色名と補色,
赤の顔料の種類

油絵具やアクリル、水彩絵具などの専門家用の画材では、顔料名が色名となっていることが多くあります。顔料を知っておくと、色の質が理解できたりします。

1、赤・茶褐色の無機顔料

無機顔料は、土や鉱物由来の天然のものから、人工的に合成してつくられた金属系のものまであります。色数は少ないですが、比較的おちついた色で、耐光性・耐候性が高く、比重が大きい(重い)のが特徴です。

顔料名顔料分類1顔料種類
シナバー
(Cinnabar)辰砂
無機顔料辰砂
バーミリオン
(Vermilion),朱
無機顔料朱,鉛丹 最も不透明な赤
マルスレッド,
弁がら,丹
無機顔料酸化鉄
カドミウムレッド
(Cadmium Red)
人工無機顔料カドミウムレッド
クロムバーミリオン
(Chrome Vermilion)
人工無機顔料クロムバーミリオン,
モリブデンオレンジ人工無機顔料
コバルトバイオレット人工無機顔料
イエローオーカー
(Yellow Ochre),
黄土色
天然褐色顔料黄土
シエナ
(Sienna)
天然褐色顔料濃黄色の粘土
アンバー
(Umber)
天然褐色顔料暗褐色の粘土
ナチュラルアース
(Natural Earth)
天然褐色顔料天然土
バンダイクブラウン
(Vandyke Brown)
天然褐色顔料天然土(有機質天然土)
セピア
(Sepia)
天然褐色顔料イカの墨を精製したもの

2、赤・茶褐色の有機顔料

有機顔料は、鮮やかな色のものが多く、透明度が高いものが多いです。もともとは茜の根や昆虫由来のものですが、現在は多くが合成顔料になっています。アクリル絵具なので、よくわからない色名がついていたりするのは、この顔料名だったりするのがほとんどです。

色名顔料分類1顔料種類
アントラキノンアリザリン・プルプリンなど
マダンレーキ
(Madden Lake)
ローズレーキ
(Rose Lake)
天然染料茜の根から作られる
クリムゾンレーキ
(crimson Lake)
天然染料コチニールから作られる赤色の色素
アリザリンレーキ
(Alizarin Lake)
(マダーレーキ)
合成顔料合成染料を顔料にしたもの。
透明度が高い
アリザリンクリムゾン
(crimson)
合成顔料
カーマイン
(Carmine)レーキ,
洋紅
天然顔料コチニール色素を
レーキ化させたもの
カーマインレーキ
(Carmine Lake)
合成顔料アリザリン・レーキ
明礬塩化錫で沈殿させてつくる。
キナクリドンレッド合成顔料鮮やかな色と耐候性を具えている
パーマネントレッド合成顔料クロムの代わりに開発された
パーマネントカーミン合成顔料クロムの代わりに開発された
ジケトピロロピロール合成顔料1980年代初頭に開発された。
ピロールレッドなど

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