kazikaeru

4年 ago

耐光性の低い色鉛筆はどれ？

耐光性の低い色鉛筆はどれ？,耐光性の低い色鉛筆は、色あせるという事実をご存知ですか？意外ですが、色鉛筆はものによってはとても色褪せしやすく、特に、ピンクや紫色は退色しやすい色なので、2年も光の当たる場所においておけば、色が薄くなってしまいます。

せっかく描いた作品が色褪せてしまったら悲しいですし、プロとして作品を作っている人ならば死活問題です。なので、アーチストさんは耐光性の高い色鉛筆を選択して使っています。

耐光性とは、光に対する耐性で、太陽や蛍光灯の光にあたって、色があせずにいられるか？という意味です。

これは、作品を作る上でとても重要なことですね。

耐光性は顔料によって異なるため、絵具だと一本一本のチューブに記載されています。
では、色鉛筆ではどうでしょうか？

耐光性に対する各メーカーの対応

耐光性については、各メーカーで対応が異なるようです。カリスマカラーのように全く表示のないメーカーもあれば、ダーウェントのように耐光性を重視するメーカーもあります。

色鉛筆では、カラーチャートに耐光性が記載されているものが多いです。中には、色鉛筆自体に耐光性の記載をしているものもあります。ファーバーカステル・ポリクロモス、ダーウェント・ライトファスト、ターレンス・ヴァンゴッホ、ホルベイン・アーチスト、カランダッシュ・ルミナンスです。

※カランダッシュ・パブロは表示があったり無かったりします。私が持っているパブロは表示がありません。最近のはあるのかしら？

まったく表示が見つからないメーカーは、「三菱」「とんぼ」「カリスマカラー」「ステッドラー」です。日本のメーカー…もっとがんばろうよ。正直言って、「表示がない＝耐光性が低い」と私なら判断するのですが、みなさんはどう思いますか？

三菱鉛筆のWebサイトでは、「色鉛筆の耐光性を知りたい」という質問に対して、こんな回答が掲載されています。

当社の色鉛筆の着色剤には、顔料を用いています。そのため、染料に比べて発色性や耐光性は優れていますが、紙の上に乗るインクの量がボールペンやサインペンに比べて少なかったり、色によっては色相を重視し、他の筆記具より耐光性が弱い顔料を使用する場合もあります。そのため、顔料インクのペンと比較し、色鉛筆は描線の耐光性の劣る色が多くなります。また、色や描線の濃さ(厚さ)で、色褪せの程度は異なります。そのため、色鉛筆の絵を直射日光へ当て続けると、数年で異なる色使いの絵のように変わる場合があります。
https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_179.html

答えになっているような、なっていないような…。要するに、「いわゆるなんとか基準みたいな検査はしていない」から正確なことは言えないんでしょうね。

耐光性に対する各メーカーの対応を一覧表にしてみました。
カラーチャートへのリンクも貼ってありますので、参考にしてください。

メーカー名	耐光性表示	カラーチャート
ホルベイン	鉛筆一本づつに表示がある。	アーチストオイルパステルアーチスト色鉛筆
カリスマカラー	プリズマカラーでカラーチャートに耐光性表示	プリズマカラー
ファーバーカステル	鉛筆一本づつに表示がある。	ポリクロモス
カランダッシュ	カラーチャートに耐光性表示あり	ルミナンス（ASTM D-6901を獲得）パブロ
ダーウェント	カラーチャートに耐光性表示あり。カラーチャートはなぜか、日本版の公式にはリンクされていません。	カラーチャート一覧
LYRA	カラーチャートに耐光性表示あり。	レンブラント・ポリカラー
ターレンス	鉛筆一本づつに表示がある。	ヴァンゴッホ油性色鉛筆
ステッドラー	不明	カラトアクェレル（耐光性表示なし）
三菱鉛筆	不明	ユニカラー（耐光性表示なし）ペリシア（耐光性表示なし）
トンボ鉛筆	不明専門家用を販売していない	色辞典（耐光性表示なし）

＜各メーカーの専門家用色鉛筆に対する耐光性対応まとめ表＞

耐光性表示の見方

1、ASTM（アメリカ試験材料協会^※1）

5段階で示され、LFI：非常に優れた耐光性（100年以上）、　LFII：優れた耐光性（50〜100年）、　LFⅢ：かなりの耐光性（15〜50年）、　LFⅣ：耐光性が悪い（2〜15年）、　LFⅤ：耐光性が非常に悪い（2年未満）

カランダッシュ・ルミナンスとダーウェントライトファストは、ASTM D-6901^※2を獲得しており、耐光性が高いことが示されています。

※1　1898年に創立された世界で最も権威のある、品質などの規格を定める協会。
※2　ASTM　D-6901は、アーティストの色鉛筆の基準です。

2、ブルーウールの評価

耐光性の測定方法の一つで、耐光性の尺度として使われます。1〜8段階で表示されます。

7、8：非常に優れた耐光性（100年以上）、　6：優れた耐光性（50〜100年）、　4、5：かなりの耐光性（15〜50年）、　2、3：耐光性が悪い（2〜15年）、　1：耐光性が非常に悪い（2年未満）

3、メーカー別の表示

大抵の色鉛筆の耐光性表示はこちらになります。メーカーによって異なりますが、大体は3段階でこんな感じ。

⭐️⭐️⭐️堅牢な色　⭐️⭐️比較的堅牢な色　⭐️変化しやすい色　無印：著しく変化しやすい色　（from HOLBEIN)

耐光性が低い色鉛筆

●カリスマカラー

調べてみたところ、カリスマカラーは、以前はカラーチャートに耐光性の表示があったようですが、今は探しても公式では見つけることはできませんでした。2012年のプリズマカラーのカラーチャートが落ちていたので、上記の表にリンクを貼っています。

カリスマカラーにおいては、多くの色が耐光性がないので注意が必要です。私の色鉛筆も、多くはカリスマカラーを使用しているので、今使っている色鉛筆のセットも、色によって入れ替えが必要になってきそうです。

プリズマカラーラインの約半分の色は耐光性ではありません。つまり、時間の経過とともに、または直射日光にさらされると色あせします。耐光性でトップクラスの色のリストをまとめました。鉛筆を個別に購入でき、美術品の製作に興味がある場合は、買い物の際にこのリストを携帯してください。
https://www.carrie-lewis.com/get-started-with-colored-pencils/

とても便利なリストをまとめてくれている人がいるんですね！…英語だけど。このサイトでも、このページの下の方に、耐光性が低い色のリストを上げていますので参考にしてください。

●ダーウェント　アーチスト＆プロカラー

カラーチャートを見た限りでは、ダーウェントのアーチストは、一部の色を除いて、耐光性が高くないようです。プロカラーはそれに比べれば善処しているように思いますが、それも、他の色鉛筆に比べると（値段の割には）今ひとつ。双方とも、色が薄めで塗り重ねていくタイプの色鉛筆ですから、そのあたりも耐光性に影響しているのだと思います。

どちらの色鉛筆も、色がキレイな魅力的な色鉛筆なので、「使わない」という選択肢はもったいない。購入の際は、耐光性リストを見ながらチェックするのが良さそうです。

●トンボ　色辞典

ホビーユースの色鉛筆なので、メーカーは耐光性については言及していません。が、ブログの記事をみていると、2年ほどで淡色カラーは褪色してしまったようです。こちら