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補色(反対色)の効果と組み合わせ

補色(反対色)とは?

補色(反対色)の効果と組み合わせ,補色とは色相環の反対の色のことです。または、色材なら混ぜるとグレーになる2色の組み合わせです。また、混色や配色で効果的に使うことができるので、色を扱う上で必須の知識として知られています。

補色について知るには、まずは、色が見える仕組みを理解必要があります。

まず、光はスペクトル(虹)の光の束でできています。そして、その光(RGB)が物質にあたると、吸収される光と反射される光に分かれます。反射された光の色が、私たちに「色」として認識されています。

たとえば、「R」の光が吸収される物質ならば、「G」と「B」が混色されて「シアン (Cyan)=青緑」に見えます。補色は吸収される方の色、すなわち、『R』(赤)が補色となります。

すべての光が吸収されれば「黒」に、すべての光が反射されれば「白」になります。(詳しい混色についてはこちらのページです)

ここまでは光の話でした。しかし、絵具のような色材は物質なので、光とは逆の話になります。すなわち、「シアン (Cyan)」に見える物質に「補色(赤)」の物質を足すことで、「黒」になるということです。とはいえこれは、あくまでも理論的な話であって、物質にはそれぞれ異なった透過度があるため、計算通りにはならず、実際にやってみると黒にはなりません。

補色と反対色との違い

反対色とは、色相や彩度や明度が反対にあるものを指します。そのため、補色も反対色の一つですが、明度や彩度が逆同士のものも反対色と呼びます。例えば、白と黒も反対色です。

補色の効果

・混色による補色の効果

絵具では、補色同士を混色することで、黒に近い濃いグレーを作ることができます。白と黒の混色のグレーとは異るそのグレーは、透明感とニュアンスのある色で、影の着色や、色の彩度を下げたい時に使います。補色の混色は、表現の幅を大きく広げてくれるテクニックなので、ぜひマスターしておきたいところです。(色鉛筆の補色の使い方についてはこちらの記事

・魅力的な配色をつくる効果

配色において補色の組み合わせは、「ダイアード」と言われ、色相差(色の差)がもっとも大きい取り合わせです。そのため、お互いの色を引き立て合い、色をより「強く」見せる対比効果があります。たとえば、赤いりんごの横に緑色の葉っぱを添えると、赤いりんごの色がより鮮やかに見えます。しかし、補色の組み合わせは、お互いの色の彩度が高いと、「ギラギラ」とした印象になります。その場合、双方の明度に微妙な変化をつけることで、アクセントのある魅力的な配色になります。

絵画では、補色の組み合わせが効果的に使用されています。

補色の探し方

補色の効果がわかったところで、では、補色ってどの色だろう?と思いますよね。補色を知るには3つの方法があります。それぞれ紹介しますので試してみてください。

1、心理補色と残像効果

心理補色

まず、左の黒地に赤い円を見た後に、ゆっくり瞬きして、右の真っ白なところを見てください。青緑色の円が見えると思います。残像効果です。これは、赤を見ていると、目の赤の錐体が興奮して、緑の錐体が抑制され、白に転じたときに緑の錐体が元に戻ろうとして起こる現象です。要するに、「目が刺激からバランスを取ろうとして反対の色が見える」ということらしいです。これを心理補色といいます。マンセル色相環PCCS色相環はこの心理補色を元につくっています。

また、円の周りに黒がなくても、ちょっと長めに色を見ていれば、心理補色は現れます。色鉛筆で色を塗って、実際に試して見てください。割と簡単に補色を見ることができます。最も簡単な補色の調べ方ですね。

2、物理補色(黄、赤、青、緑、紫などの補色)

補色の組み合わせで混色をすると、色が濁って灰色になります。実際に色を混色してみましょう。

黄色+青紫、赤+青緑、紫色+黄緑、オレンジ+青 などが補色の組み合わせです。

上手くできましたか?絵具を使った時と色鉛筆で混色した時では、出来上がる色が少し異なります。ちゃんと補色を選べていれば、塗った瞬間に、「あ、濁った!」とか「暗くなった」というのはすぐにわかると思います。しかし、思い通りのグレーにするのは、なかなか上手くいきませんね、、、。理論的には簡単でも、色の割合が変わると急に色味が出てきたりしてしまいます。特に、絵具は、同じような「緑」でも顔料(色材)によって全く異なるグレイになりますので、根気よく、気に入ったグレイッシュトーンになるまで頑張りましょう。

絵具の混色のコツ

3、色相環を使った補色の探し方

(図)PCCS色相環

色相環を使うと、簡単に補色を見つけられます。色相環は色を体系的に理解したり、色を伝達したり、配色を考えたりするときに使用するもので、色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)を虹色順に並べて環状に配置した物です。そして、色相環の対抗する色同士は補色の関係にあります。また、色相環には、マンセル、オストワルト、PCCSなど色々な種類があります。

まずは、PCCSの色相環で例を示します。図では補色がわかりやすいように、他の色相はグレーに着色していますが、実際は鮮やかな色が入っています。

PCCSの色相環では、11〜12色相差があるものが「補色」です。すなわち、165度から180度の角度にあたる色が補色です。このように、補色の範囲は結構広いので、12色の色相環でも、補色を理解するのには十分な色数と言えます。

簡単な色相環のカラーチャートを作って手元に置いておくと、混色や配色を行う時にとても便利です。(色相環カラーチャートの作り方はこちら)

補色(反対色)の効果と組み合わせ,代表的な色(黄、緑、青、紫、赤、オレンジなど)の補色一覧表

8:Y 黄色(Yellow)19:pB 紫みの青〜21:bP 青みの紫
10:YG 黄緑 (Yellow green)21:bP 青みの紫〜23:rP 赤みの紫
12:G 緑 (Green)23:rP 赤みの紫 〜 1:pR 紫みの赤
14,15: BG青緑 (Blue green)1:pR 紫みの赤 〜 4:rO 赤みのだいだい
16:gB 緑みの青 (Greenwish blue)3:yR 黄みの赤 〜 5:O だいだい
17,18:B 青 (Blue)4:rO 赤みのだいだい 〜 7:rY 赤みの黄
20:V 青紫 (Violet)7:rY 赤みの黄 〜 9:gY 緑みの黄
22:P 紫 (Purple)9:gY 緑みの黄 〜 11:yG 黄みの緑
24:RP 赤紫 (Red Purple)11:yG 黄みの緑 〜 13:bG 青みの緑
2:R 赤 (Red)13:bG 青みの緑 〜 15:BG 青緑
5:O だいだい (Orange)16:gB 緑みの青 〜 18:B 青
PCCS色相を活用した補色の組み合わせ

まとめ

色を体系的に学ぶ

1、色相・彩度・明度、表色系で色を知る

2、色相環とは? 配色に便利な色相環をつくろう

3、補色(反対色)の効果と組み合わせ

4、混色の種類と絵具の混色

5、色の見え方、対比と同化

6、暖色・寒色・膨張色など

7、色のイメージと心理効果

8、目立つ色・見えやすい配色は?色の視認性

他の色を見る <赤系> <黄色系> <緑系> <青系> <紫系> <色鉛筆の色名(JIS)とマンセル値対応表>

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