混色の種類と絵具の混色. 混色とは?, 混色とは色を混ぜ合わせて別の色をつくることです。混ぜ合わせる方法や色によって、異なった結果が得られます。まずは、基本となる「色の種類」と「原色」について押さえておきましょう。
①色の種類
・光源色
子どもの頃、色の仕組みを習ったことを覚えていますか?太陽の光をプリズムに通すと7色に分かれて、もう一度プリズムを通すと一つの光にもどる・・・という、ニュートンの分光実験といわれるやつです。要するに、太陽光(白色光)は、それぞれ色をもった光の集合なわけです。この光を光源色と言います。
・物体色
光が物質にあたると、物質の違いによって光は、透過したり、吸収されるたり、反射したりします。透過した色は「透過色」と言います。反射した光は「物の色」として私たちの目に映ります。これが「表面色」です。表面色は、最も一般的に良く使われている色です。絵具などの塗料もこの表面色です。この「透過色」と「表面色」のことを物体色と言います。
色には光と物質の質をもった2つの種類の色があり、それぞれで色の混じり方にルールがあります。
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②原色とは?
混色して作ることができない色のこと。混色の元になる色のことです。具体的には、光の三原色と色の三原色のことです。
混色の種類と絵具の混色
1、加法混色
光の色を使った混色です。混ぜて得られた色の明るさが、もとの色の明るさの和になる混色で、光を強くするほど明るく、白に近づいていきます。舞台などの照明で使用されている混色です。
①光の三原色
赤/緑/青(RGB)
パソコンなどで写真を扱う人には大変馴染みのある「RGB」ですね。デジカメで撮影した写真を画像処理ソフトでそのまま開くと、カラーモードはRGBとなっているはずです。これは、光の三原色で色を再現しているということですね。
②加法混色のルール
加法混色では、R(黄みの赤)、G(緑)、B(紫みの青)の3色で、おおよそ全ての色を作り出します。3つの光を全て混ぜると「白」になり、何も混ぜない状態が「黒」です。
2、減法混色
物質の色を使った混色です。色を混ぜると、元の色よりも暗くなる混色です。正確な言い方をするならば、光の一部の色を吸収させて取り除き、別の色を作り出す混色です。そのため、明るさが減少するのです。
カラーフィルターを重ねたときや印刷や塗料などの混色です。
①色の三原色 / 色材の三原色
青/赤/黄(CMY)
②減法混色のルール
減法混色では、C(緑みの青・シアン)、M(赤紫・マゼンタ)、Y(黄色・イエロー)の3色で色を作り出します。全ての色を同じ分量づつ混ぜ合わせると「黒」になります。
理論的には色の三原色で全ての色を作ることができますが、絵具や塗料では完全な黒を作ることはできず、暗灰色になります。そのため、印刷では「色の三原色(CMY)+黒(K)」のインクが使用されます。
また、色の三原色は光の三原色のような色の純度はありません。物質に反射して得られる色は、直接の光の色のような純度は得られないからです。よって、ルミナンスカラー(蛍光色)のように、RGBで表示ができてもCMYでは現せない色があります。
③減法混色の例
3、中間混色
これまでの二つの混色は、実際の現象としての混色でしたが、この中間混色は、私たちの視覚現象として起きる混色です。手っ取り早く説明すると、印象派の点描や、印刷物の網点のような、目の中で混ざる混色のことです。
①回転混色
図のような回転コマを見たことはありますか?このコマを回すと、赤と黄色が混ざってオレンジ色になります。色の光が速いスピードで入れかわることで、私たちの目で混色が起こるのです。赤と黄色の面積の割合が変化すれば、混色で見える色も変化します。
②並置混色
小さな点の集合によって混ぜる方法です。印刷物やテレビ、パソコンなどで使われている混色です。写真のような印象派の絵もこの混色方法で描いています。ひとつひとつの色は、独立した鮮やかな色でも、並置することで自然な色に見せることができます。混色で作った色よりも、鮮やかで新鮮な印象を受けます。
混色の種類と絵具の混色
4、絵の具の混色
絵具の混色は、絵具を混ぜてつくる混色と、色を重ねる混色(重色)があります。不透明水彩やポスターカラーなどは、絵具を混ぜてつくる混色だけですが、透明水彩やアクリル絵具、油絵具などは、色を重ねることでも混色が得られます。ここでは、絵具を混ぜる混色について記載します。
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①基本的な絵具の混色例
・基本的な混色
- 赤+黄色=オレンジ色
- 赤+青=紫色
- 青+黄色=みどり色
- 黄色+みどり=きみどり色
・補色の組み合わせによる混色
- 赤+緑=灰色
- 青+こげ茶=濃い灰色
補色の混色は、彩度が下がり、グレイッシュな色になります。黒よりも自然で色みのニュアンスがあるので、絵画の世界では「黒」よりも「補色の混色」が使用されることが多いです。
②絵具の混色のコツ
- 混色する色数が増えるほど、色が濃くなります。濃くなった色を明るく戻すことは難しいので、色数は2、3色程度で、色を足すときは少量ずつで様子を見る。
- 混色で同じ色を作るのは難しいので、塗ろうと思っている範囲よりも多めにつくる。よく使う混色は、たくさん作って、ケースに入れて保存しておくと、便利です。
- 自分の混色レシピを作っておくと、再現性があって便利です。
③混色でつくれない色
理論的には、混色で作ることのできない色は色の三原色である「C(緑みの青・シアン)、M(赤紫・マゼンタ)、Y(黄色・イエロー)」とされていますが、実際にはもっとたくさんあります。
代表的な色は、金、銀、鮮やかな紫色、鮮やかなピンクです。
赤と青を混ぜれば「むらさき」ができるじゃないか!と思われますが、単色で販売されている「むらさき」に比べると彩度が低くなります。
また、アクリル絵具や油絵具などのちゃんとした「顔料」を使用している絵具だと、黄色と青で作る緑色も、単色で販売されているビリジャンやエメラルドグリーンにはなりません。バーミリオンなども混色で作ることはできません。混色で作る色は、単色の色ほどの彩度は再現できないのです。これは、色材の「質」なので、彩度の高い色は単色で購入するしかありません。
④絵具の混色の学び方
絵具の混色は減法混色です。が、実際には色材によって質が異なるため、実際に絵具を混ぜても微妙なところでイメージと異なることが多くあります。色を重ねる「重色」による混色についても同様で、単純な減法混色にはなりません。色材はそれぞれで透過性が異なるため、結果を予測するのは難しいのです。なので、本格的に絵具の混色を学ぶには、専門の本やアプリを参考にして、実際に混色をして経験を積むことで、素早く思った色を作り出せるようになっていきます。
<おすすめアプリ>
絵具の混色結果がわかる「Real Color Mixer(リアルカラーミキサー)」という便利アプリがあります。かなり多くの色名が登録されており、その中から自分が持っている色を選んでパレットをつくり、混色を試すことができます。色鉛筆の混色なら「Colored Pencil Picker(色鉛筆ピッカー)」が便利です。知りたい色を選ぶと、色鉛筆の色名を教えてくれます。
<おすすめの混色本>
「絵具のレシピ 初めてそろえる基本色と混色サンプル」
アクリル絵具や油絵具を始めたばかりで、「カーマインってどんな赤?」というぐらいに、絵具の名前と色が一致していないぐらいな人向け。基本から学びたいなら、この本です。
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「混色の実践テクニック 油彩・水彩・アクリルの混色完全ガイド」
色彩論から混色の基礎的な解説も付いた本です。混色のレシピももちろん掲載されていますが、どちらかというと混色理論を学びたい人向け。初心者から学べるとありますが、絵具に慣れた人の方がより理解ができると思います。
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「混色パーフェクトレシピ1500 描きたいものから色を探せる」
水彩・アクリル・油彩に対応した混色レシピです。解説はいらない!混色のレシピだけあればいい!という人向け。風景や人物、ハイライトや影の色などが、かなりたくさんの混色例が掲載されています。絵具の量を測ることができる定規付きのアクリルパレットがついてきます。
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<おすすめの混色セット>
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