ダーウェント・アーチストカラーペンシル
ダーウェント・アーチストカラーペンシル.色鉛筆レビュー,口コミ
個性的な鉛筆を数多く扱っている、ダーウェントの主力色鉛筆。
アーチストカラーペンシルは、価格帯としては、ホビーユースからのステップアップで選ぶグレードなので、当然、「発色・混色・塗りごこち」共に一定レベル以上にあります。
精密画やイラストよりも、スケッチに適した色鉛筆です。自然に近いカラーラインナップもそうですが、鉛筆自体が太く、細かい作業よりも「絵を描く」ということに特化した描き味だからです。
web上の口コミでは、「硬い」「薄い」と辛口評価の多い色鉛筆です。
私も、店頭での試し書きが、あまりに色が薄く、硬かった為、購入を見合わせていましたが、実際に購入してみて、一枚描いてみると、やさしい、ふんわりした感じの絵になり、思っていた以上に「いい色鉛筆」だと思いました。
ダーウェントは、いくつもの製品ラインナップを持っており、それぞれに特徴があります。数ある製品から、自分向きの色鉛筆を検討することもできます。
※ダーウェント製の他の色鉛筆は、このページの最後の方に掲載しています。
ダーウェントの製品を取り扱っている店舗はあまり多くありません。中でもアーチストを店頭に置いているお店はあまり見たことがないです。プロカラーが発売されたので、今後は、そちらにシェアが移っていくような気もしています。
◆特徴1 「絵を描く」ことに特化した描き心地
程よい太さの丸軸は持ちやすくて描きやすい。
4mmの太い芯と太い持ち手は、力が一点に集中しないため、均一で美しいシェーディングができるし、広い面が楽に塗れます。
描き心地は、やや重いですがカサッとした感じで紙に顔料が引っかかる感じがして、それが結構心地いいので、なんとなく使ってしまいます。さすが、老舗の鉛筆メーカーといえるところ。
◆特徴2 彩度の低いナチュラルカラー
全体的に色の彩度が低いです。自然というべきでしょうか…。同じダーウェントのカラーソフトと比べるとその違いがはっきりとわかります。色の質も、カラーソフトは不透明な感じですが、こちらのアーチストカラーペンシルは透明感がある色です。
12色のセットを見ると、「ピンク」とか「うすだいだい」といった、日本だと入っているような色はなく、代わりに濃紺やブラウン・イエローオーカーと言った、自然物を描くのに良さそうなカラーが入っています。
かなり消しゴムで消えるので、色を抜いたり、柔らかいハイライトを作ったりするのはそれほど難しくはありません。
◆特徴3 混色がキレイ
色を重ねて混色できます。下の色はあまり滲まないので、色が濁りません。
鉛筆のコントロール性がよく、程よい硬さなので、丁寧に塗り重ねると繊細な色の変化がつけられます。
塗り重ねは同じダーウェントのカラーソフトより強いです。
こってりと厚塗りするような塗り方は向きません。
※他の色鉛筆との混色比較はこちら
◆特徴4 硬めの芯
三菱880級より硬く、トンボ色辞典より柔らかい。ぐらいな硬さ。
最近は、柔らかくて発色の良い色鉛筆を求めている方が多いので、アーティストペンシルのような色鉛筆は「硬い」「薄い」と評価されることも多いです。
芯は硬めですが、太いので、例えば「色辞典」のような植物の精密画には向きません。この硬さと太さは、色面を塗る時のコントロール性に力を発揮しているのだと思います。
とはいえ、ストレスになるほどの硬さや色の出なさではなく、重ねてゆけばかなりの濃さまで持って行けます。
こってりと厚塗りするような塗り方は向きません。
こってりと塗りこむようなイラストを描く方には、見向きもされない色鉛筆です。でも、こうした色味で、やわらかい雰囲気が作れる色鉛筆は他にありませんので、一部ユーザーからは熱い支持をうけています。
◆特徴5 耐光性が低い色が多くある
ダーウェントは耐光性についての認識が高く、かなりしっかりとした耐光性のテストを行っています。全ての色鉛筆は、カラーチャートに耐光性が掲載されています。耐光性は8段階で評価されており、アーチストカラーペンシルは全体的に耐光性が高くありません。色の薄さがその原因かもしれません。長く作品を残していきたい方は、色によって、アーチストより少し耐光性が高い「プロカラー」や「カラーソフト」、または完全な耐光性をもった「ライトファスト」と置き換えていく必要があります。
<参考作品>
アーチストペンシル 油性色鉛筆 ダーウェント(英国)ダーウェントの公式サイト ブログ | |
価格帯 | 一本240円。 ※市場価格でのディスカウントはあまりない。 |
色 | 全120色 くすんだ落ち着きのある色。自然色。 耐光性に優れ、発色の良い高品質顔料使用。 |
形状 | 丸形 |
描き心地 | 芯:4.0mm 硬くて太めの芯。スケッチに向く。 |
混色 | 良。 特に塗り重ねがキレイ。 |
その他 | スノーマンやピーターラビット、アイスエイジのキャラクターも、 ダーウェントの色鉛筆を使っているそうですよ。 参考作品はこちら |
<ダーウェント製品>
ダーウェントは、非常に多くの製品をラインナップしています。
3つのブランド(ダーウェント、アカデミー、レイク)はそれぞれ一般、学生、子ども用と対象が別れていて、さらに、各ブランドにおいても非常に多くの個性的な製品を取り揃えています。
これは、全てのユーザーが、ニーズにあった鉛筆を選べるようにするためだそうです。ダーウェントの色鉛筆だけでこんなに…!
<ダーウェントの色鉛筆>
- アーチストペンシル(油性)(120色の豊な色数。やや硬めの芯で、くすんだ柔らかい色調。240円))
- カラーソフト(油性)(柔らかい芯で、大胆な色彩をすばやく塗る。250円))
- スタジオ(油性)(細かい精密描写、特にイラストに最適)
- ドローイング(油性)(野生動物の絵、自然観察、ポートレイトに適した、軟らかくなめらかな鉛筆。非常に彩度の低いカラー鉛筆。280円)
- プロカラー(油性)新商品(アーチストの芯の強さとカラーソフトの滑らかさを合わせ持つ。300円)
- ウォーターカラー(水性)(鉛筆のコントロールのしやすさと、水彩画材の美しさが1つに融合。250円)
- インクテンス(水性)(水に溶かすとカラーインクのような透明で鮮やかな色合い。280円)
- ライトファスト(油性)(耐光性に優れた最高級の色鉛筆。柔らかく滑らかだけどしっかりとした芯。480円)
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