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ダーウェント・インクテンス

ダーウェント・インクテンス>製品レビュー・口コミ

ダーウェントのインクテンスは、ややお高めの水彩色鉛筆です。
ダーウェントといえば、常に新たな切り口で製品を発表しているイギリスのメーカーです。私が持っているのは、全部単品・バラで購入した物で、50本ほどです。はじめはこんなに買う予定ではなかったのですが、このものすごく重たい描き味とダークな色がなぜか気に入ってしまって、気付いたら増えていました。

旅行に行くときなどどこかに泊まりに行く時に水筆と一緒にお供として持っていくことが多いです。ケースに入れていないから、手軽に持ち運べるのかもしれません。とにかく、よく使っている水彩色鉛筆です。


●特徴1、インクカラーのような透明感と暗めな色相

描いた時は、とにかく鈍い色をしています。水を加えた瞬間に、驚くほど鮮やかに透明な色が広がります。逆に言えば、ドライではものすごく暗い色です。
色はとても個性的です。鮮やかだけど、ダーウェント特有の渋さというかくすんだ暗めの色です。なんていうか、レトロ感。全体的に重い色味です。私はなんとなくこれが、イギリスっぽいなーなんて思っています。

こうした色味は、他のメーカーにはない色なので、魅力的だと思います。すでに水彩色鉛筆を持っている人が購入しても「絶対に色が被らない」ので、ある意味安心して買い足しできます。

ダーウェントのインクテンスには、「白」を混ぜた色、淡色がありません。単色は水で薄めて表現してねってことなんでしょう。水彩表現を前提にした色のラインナップなわけですね。インクテンス自体、とても透明感のあるインクカラーなので、淡色にしてしまうのは勿体ないですもんね。
私は全く不自由を感じませんが、例えばどうしてもピンクを塗りたい人にとっては、色を作るか、別のメーカーで買い足しすることになります。

全体の色から淡色がないせいなのか、全体に色相の変化が少なく、色を揃えていくと、近い色の見分けがつきにくいところがあります。私の色感が悪いのか?ちょっと画像で見てください。どうでしょう?520と530なんて、水でとかしたらほぼ同じ色だと思いませんか?ちなみにグレー系・イエロー系はもっと見分けがつきません。

色の違いが見分けにくい…

ドライの状態で見分けがつかないのは、インクテンスでは当たり前のことなので良いのです。水溶けしても、見分けが難しい色ありますよね。
もちろん、色の違いをちゃんと識別しようと思ったらできますが、そこまで繊細な絵を私が描かないので、「こんなに色数買わなくてもよかった」と思ったんです。

ダーウェント インクテンスの混色カラーチャート

●特徴2、どっしりと重たい描き味

紙に食いつくような描き味です。やわらかめの芯で、描くと、紙にたっぷりと顔料が乗ります。色はかなり濃いです。他の水彩色鉛筆とくらべても、圧倒的に濃い色がつきます。この濃さで、4mmの太い芯を使って強い線を引くことができるので、大きな紙にドローイングすると気持ちよく描けます。細かい線を引いたりするには向きません。
感覚的には、同じダーウェントのドローイングペンシルから滑らかさをマイナスした感じです。ドローイングペンシルを持っていないとわからんですね。とにかく独特な重さをもった書き味です。


●特徴3、水溶け具合

ダーウェント インクテンスの色々な表現

水溶けは、あまり良くはなく、鉛筆の線がけっこう残ります。芯の水溶けが悪いのか、それとも、顔料の紙への喰い付きが強いのかと考えると、後者の方に思えます。鉛筆の線を残したくなかったら、多めの水でゆっくりとかすか、筆先で直接色鉛筆から色をとって塗るとか、カッターで芯を削って色を溶かしてからつかうなどの工夫が必要です。ウェットティッシュや綿棒でぽんぽんしても良いとおもいます。


●特徴4、乾いたら耐水性がある

これも、他の水彩色鉛筆には無い特徴です。耐水性があるので、重ねて塗っても色が濁らないので、いいですね。布などにも描けるようで、新しい色鉛筆の可能性を感じます。トートバッグにでも描いてみようかな…。でも、目止めしていないから滲むかな?こんど、試してみたらまた報告しますね。

耐水性のデメリットとしては、乾いたら修正がきかないというところです。通常の水彩ならば、一旦乾いてしまっても、また、筆に水をつけてスリスリとすると色を落とすことができますが、インクテンスの場合はそうしたことができません。


●特徴5、鉛筆のつくりが粗い

多くのダーウェント製品にある傾向です。アーチストもカラーソフトも粗い。木軸がぼそっとササくれていたり、鉛筆の塗装もひび割れていたり、印字が薄かったり印字の色がくすんでいたりします。

わたしはケースを使っていないのでわかりませんが、口コミなんかをみていると、ケースも「蓋が心許ないからゴムかけている」とかそんな内容もありました。日本の鉛筆は本当に品質が良いので、木軸ひとつとっても、均一で密度のしっかりしたものを使用していますし、塗装は必ず2重で塗られています。比べると、海外の製品は、木軸の木がスカスカだったり、塗装も一回だけだったりして、いま一つなんですが、ダーウェントに至っては、相当ひどいです。昔のプリズマカラー (セットに同じ色が2色入っていたり、芯が真ん中にはいっていなかったりしていた)ぐらいです。
そんなに安い色鉛筆ではないので、もう少し気を使ってほしいところです。


<みんなの口コミ&評価>

amazonや楽天などの皆さんの口コミをみていると、おおよそ満足度は高いようで、特に発色の良さや色の濃さへの評価が高いようです。反面、鉛筆そのもののつくりが悪かったり、「セットに同じ色が2本入っていた」といったような製品管理がずさんなところも感じられました。(製品管理については、一概にメーカーだけの責任ではないのでしょうが)やはり、それなりの価格の色鉛筆ですから、見合った品質でなかったら、評価を下げますよね。良い色鉛筆だけにとても残念です。


鮮やかで多彩な色調。乾けば耐水性に -ダーウェントのインクテンスブロックは広範囲の彩色や表情豊かな模様付けを行うなど、様々な用途に使える水溶性ブロックです。水を混ぜることで、カラーインクのような鮮やかな発色を作り出すことができます。高密度顔料の色はドライの状態から、透明感のある色合いに変化し、乾いた後は色が定着します。そのため、前に塗った鮮やかな色の層に影響を与えることなく、色を重ねることが可能です。様々なアートやクラフト・プロジェクトで、紙や布に絵を描くのに適しています。

https://www.derwentart.com/

●ダーウェント・インクテンス,のスペック・性能表

インクテンス 水溶性色鉛筆(公式サイト
ダーウェント(英国)ダーウェントの公式サイト ブログ
価格帯一本280円。
※市場価格でのディスカウントはあまりない。
全72色
水に溶かすと、インクの様な鮮やかな色が広がる。
乾くと耐水性になる。
形状丸形
描き心地芯:4mm
太くて柔らかい。どっしりと重たい。
水溶けいまいち。
その他唯一無二の個性的な水彩色鉛筆。
とにかく濃く、強く。魅力的な一本です。
鉛筆の塗装は相変わらずの悪さです
ダーウェント インクテンスのスペック表

●他の水彩色鉛筆との比較

個性的な色鉛筆をラインナップしているダーウェント。
インクテンスは、その中でも飛び抜けて個性的な色鉛筆です。濃く太く、鮮やかにという他にはないコンセプトなので、一定のファンがいることだと思います

アンダートーンの色や細かい作業ができない点があるので、どちらかといえば、ドローイングなどで自由な表現をするのにむいている色鉛筆で、塗り絵作業には向かない点が多いです。
水彩色鉛筆を大人の塗り絵で使おうと思っている方は、もう少し手頃な価格のステッドラーがおすすめです。色がクリアでほど良い水溶けなので扱いやすいと思います。

また、ダーウェントインクテンスを使っていて、色の買い足しを考えるならば、同じように濃い色がつく、「ファーバーカステル・アルブレヒドデューラー」やカランダッシュの「ネオカラー2」がおすすめです。

インクテンスとネオカラー2の併用
ファーバーカステル
アルブレヒトデューラー

詳しくは、各製品名のリンクページをご覧ください。
kazikaeru:

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