緑色の種類と緑に合う色、補色

緑色の種類と緑に合う色、補色,
グリーンの顔料の種類

油絵具やアクリル、水彩絵具などの専門家用の画材では、顔料名が色名となっていることが多くあります。顔料を知っておくと、色の質が理解できます。緑色の顔料は、有機顔料では黄色と青とを混ぜて作られることが多いので、数は多くありませんが、無機顔料は数多くあります。例えば、孔雀石やビリジャンがあります。

1、緑・黄緑・青緑の無機顔料

緑の無機顔料は、天然鉱物と、金属の単純な化学反応(特に酸化)で作られるものがあります。落ちついた色で、耐光性・耐候性が高く、比重が大きい(重い)のが特徴です。また、毒性のあるものや希少なものもあります。専門家用の画材に使用されています。

緑色の天然無機顔料

  • 孔雀石/岩緑青(マウンテン グリーン/マラカイト):最も古くから知られた鮮明な緑色顔料。今も日本画では重要な顔料。青丹
  • 緑土:鈍い黄緑色から淡緑灰色。透明性が高く、着色力は強くない。太古よりヨーロッパで使用されて来た顔料

・緑色の合成無機顔料

  • クロム グリーン:黄鉛紺青の混合物。隠蔽度が高い
  • カドミウムグリーン※:ビリジアンと比較すると、不透明で、彩度が低く黄味の緑。耐アルカリ性・耐性・耐性に優れる。しかし、耐性が低く、有毒で高価。カドミウムイエローとビリジャン(もしくはフタロシアニン緑)との混合物。
  • コバルト グリーン/亜鉛緑透明で彩度は高くない。高価。淡い青緑色。マグネシウムを添加すると暗緑色。
  • ウルトラマリン グリーン:合成ウルトラマリンとカドミウムイエローの混合物
  • コバルトクロム グリーン:堅牢性が高い
  • コバルトチタン グリーン:レモンイエロー系顔料。耐光性や耐熱性に優れるが、着色力が小さい。
  • エメラルド グリーン:鮮明な緑。毒性が高い。パリグリーンと呼ばれ殺虫剤に使用された。油性の媒材(Binder)でだと耐久性が高い。
  • ビリジアン:ヨーロッパで使われた澄んだ青緑色の顔料。色相や透明度の幅が広い。

※カドミウムグリーンは単体での取り扱いは見かけません。尚、カドミウムが貴重な上有害である為、日本以外の国では純粋な硫化カドミウムからなるカドミウムイエロー(PY37)は既に製造が中止されており、PY35(毒性の低いもの)に置き換わっています。HOLBEINでは絵具顔料一覧に、PY35もPY37も記載されているので取り扱いはあるようです。(2021年)

2、緑・黄緑・青緑の有機顔料

有機顔料は、無機顔料と比較すると、鮮やかで透明度が高いものが多いです。また、古くは植物や昆虫由来の染料から作られていましたが、現在は、ほとんどが合成有機顔料で、石油化学製品に由来します。毒性が無く安全です。

  • 緑色レーキ顔料:天然染料/レーキ顔料/クロウメモドキ科の実から抽出される緑色成分を原料としたもの。サップグリーンの由来となったもので、現在は扱われていません。
  • フタロシアニン グリーン:不溶性アゾ顔料・耐久力が高く隠蔽力に優れる
  • ナフトールグリーン/ニトロソ グリーン:レーキ顔料。印象的な深い緑を呈する。堅牢であるが耐水性にやや劣る
  • マラカイトグリーン:レーキ顔料。孔雀石に似ていることから付けられている。青緑色の塩基性有機色素

色を体系的に学ぶ

1、色相・彩度・明度、表色系で色を知る

2、色相環とは? 配色に便利な色相環をつくろう

3、補色(反対色)の効果と組み合わせ

4、混色の種類と絵具の混色

5、色の見え方、対比と同化

6、暖色・寒色・膨張色など

7、色のイメージと心理効果

8、目立つ色・見えやすい配色は?色の視認性

他の色を見る <赤系> <黄色系> <緑系> <青系> <紫系> <色鉛筆の色名(JIS)とマンセル値対応表>

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