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色鉛筆の混色のコツ〜重ねる&混ぜる〜

色鉛筆の混色のコツ〜重ねる&混ぜる〜,色鉛筆は混色して使うことで、単色では出せない奥深い色を表現することができます。色鉛筆(油性)の混色には2つの方法があります。一つは、層で重ねる(レイヤード)混色。もう一つは、紙の上で色を混ぜる(ブレンド)です。使用する色鉛筆によって、得意な混色は異なります。

色鉛筆の混色のコツ〜重ねる&混ぜる〜

1、色を重ねる(レイヤー)の特徴と方法

色を重ねる

色を重ねる混色「レイヤード」は、色鉛筆を一層づつ塗り重ねて混色するベーシックな方法です。油性色鉛筆らしい、透明感のある深い色になる混色です。この混色の特徴は、まず、色が濁らずに、透明感とキラキラのある混色になるところです。そして、紙目を潰さないように塗るため、凸凹の陰影が残り、色の奥行き感が出ます。

●混色のコツ

レイヤードは丁寧に、紙目つぶさないよう行います。そのため、芯が柔らかかったり、紙への定着が低いような色鉛筆は、一層づつの色が混ざりやすいので、自然と次の「混ぜる」ような混色になります。ちょっと硬めの色鉛筆を使うと、キレイに重ねていけます。たとえば、オイルベースの色鉛筆やトンボや三菱などの一般的な色鉛筆です。

まるまった鉛筆(ひだり)と尖った鉛筆(右)の差。紙の目の白いところを塗りつぶす感じで色をかさねる。
  1. まず、色を重ねるには、先の尖った鉛筆で、紙目の白い部分をやさしく塗りつぶしながら色を重ねます。上手くいかないときは、上質紙やケント紙のような、つるっとした紙を使用すると良いです。
  2. そして、一層づつ、ムラなく塗りかさねると、キレイな混色になります。
  3. 重ね塗りできる回数は、色鉛筆によって異なります。たくさん塗り重ねしたい人は、重ね塗りが得意な色鉛筆を使用すると良いでしょう。
  4. パステルフィキサチーフを吹くことで、さらに塗り重ねができます。
  5. 一般的に、先に塗った色が混色結果に大きく影響します。黄色→青なら黄緑色に。青→黄色なら青みがかった緑色というように、下の色が強く出ます。
  6. 色鉛筆は基本的に、重ねるほどに濃く、暗くなります。また、補色を重ねると、明度と彩度が下がります。そのため、明るさを保持するには、同系色を重ねます。

●レイヤーでの混色に向いている色鉛筆

特に、ファーバーカステル・ポリクロモスやカランダッシュ・パブロなどのやや硬めの芯の色鉛筆は、透明度が高く、繊細で美しい混色をすることができます。

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2、色を混ぜる(ブレンド)①バニシングの特徴と方法

色を混ぜる

色鉛筆のブレンドは紙の上で色を混ぜ合わせる混色です。色を重ねるところまではレイヤードと一緒です。このときに、芯を強く擦り付けると、紙の上で芯の色同士が混ざり合います。このように、色鉛筆のレイヤー同士を混ぜ合わせる混色方法をブレンドと言います。

<ブレンドの特徴>

  • レイヤードでの混色と比較すると、ブレンドでの混色は、ぺったりと均一な色になります。
  • また、通常色鉛筆は、混色すると色が濃く、暗くなりますが、隠蔽度の高い色鉛筆カリスマカラーなど)は、暗い色の上から明るい色を塗ることで、オーバーレイ(ワントーン明るく)することができます。

ブレンドを行うには2つの方法があります。

その一つが、「バニシング」という方法で、紙の歯が潰れるくらいにグイグイっと色をぬって、紙目を潰して滑らかな面を作る塗り方です。紙目の凸凹が無くなってしまうので仕上げに使われる。

●バニシングの方法

色を重ねた層の上から、先を鈍らせた、明るい色(白やパステルカラー)の色鉛筆でゴシゴシと色をぬります。前に塗った色を重ねたり、また明るい色を乗せたりしながら、気に入った色になるまで混ぜ合わせます。透明度の高い白や低い白があります。白の透明度によって、仕上がりの色が微妙に変わるので、お試しください。

※バニシングは通常、色鉛筆画の仕上げで行います。より詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

●バニシングに向いている色鉛筆

色鉛筆を紙の上で混色する方法は、筆圧で色をまぜるので、力を入れて行います。そのため、芯の硬い色鉛筆は混ざりにくく不向きです。たとえば、ダーウェントのカラーソフトカリスマカラーホルベインアーチストコーリン、カランダッシュ・ルミナンス、ライトファストのように、柔らかい色鉛筆が向いています。また、各メーカーから、「ブレンダー」や「バーニッシャー」が販売されています。

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ブレンダーを比較

3、色を混ぜる(ブレンド)②溶剤を使う

色鉛筆の混色に溶剤を使う方法は、昔から使われていた技法です。色鉛筆は油性です。そのため、オイルを含む溶剤を使うと、芯が溶けて、力を使わずにブレンドできるのです。しかし、紙に吸い込まれてしまったり、色が広がってしまったりするので、色が少し薄くなります。また、筆やさっぴつ、綿棒などで塗り広げられるので、紙目を痛めずに広い面をブレンドすることができます。

溶剤には、例えば、油絵で使う「テレピン」や「ペトロール」、ワセリン、リップクリーム、ベビーオイル、消毒液、ウォッカやジンなどのお酒もできます。しかし、これらの溶剤は、裏移りしますので、注意が必要です。そのため、裏移りしないホルベインの「メルツペン」がおすすめです。
また、100均で済ますならワセリンとベビーオイルがおすすめです。

色鉛筆の混色のコツ〜重ねる&混ぜる〜,まとめ

それぞれの混色方法によって、表現に違いがありますので、必要に応じて使い分けます。使っている色鉛筆の種類によっても、混色の見え方が変わってくるので、「色鉛筆による混色の違い」も参考にしてください。

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