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水彩色鉛筆でおすすめの紙、11選

水彩色鉛筆用の紙の選び方

水彩色鉛筆でおすすめの紙とは?通常の画用紙は、表面の強度が低いため、水を使うと簡単に紙が毛羽立ってしまいます。水彩色鉛筆は水を使ったり、鉛筆で描いたりと、紙に多くの負担がかかります。(「水彩色鉛筆の使い方」参照)そのため、水彩色鉛筆では、水に強い、「水彩紙・水彩画用紙」がおすすめです。紙を選ぶ時は、必ず中性紙を選びます。今はほとんどの紙が中性紙なので、それほど気にかける必要はありませんが、酸性紙は作品が劣化してしまうので使いません。

<水彩紙の種類>

まず、水彩紙で使われている原料には、大きく3種類があります。
原料によって、紙の質や値段が大きく左右されます。木材パルプは、価格も手頃で、水彩色鉛筆に向いているので、まずは、この水彩紙を試してみることをおすすめのします。

  • コットン:高級。紙が酸化しにくく強度も高く、しなやかで柔軟性のある紙になります。
  • 木材パルプ:強度が高く、硬めの紙です。安価。コットンと混紡した紙もあります。
  • その他:竹や麻、リサイクル紙などを使用した紙。木材パルプと似た感じに仕上がっていることが多いです。

<紙目の大きさ>

水彩紙には紙目の大きさがあります。「荒目」「中目」「細目」「極細目」です。
紙目の大きさの基準はそれぞれのメーカーによって異なるので、表記は目安として考えます。
目が粗いほど凸凹の陰影がある、絵画的な大胆なタッチになり、細かいほどスムースでイラスト向きな繊細なタッチになります。

油性色鉛筆だと、細目〜極細ぐらいの方が描きやすいです。しかし、水彩色鉛筆の場合は、凸凹があった方が滲みがいい感じに見え、おすすめです。水彩色鉛筆にあまり慣れていない人は、まずは、中目ぐらいの紙目の水彩紙から始めるのがおすすめです。

<紙の厚み>

紙の厚みは、1㎡あたりのグラム数で表示されています。数字が大きい方が厚い紙です。水彩色鉛筆は、紙に負担がかかる画材なので、やや厚手の200g以上の紙がおすすめです。また、しっかりと描きこみたい時は、300g以上の厚手の紙がおすすめです。

水彩色鉛筆で紙が波打つのを防止するには?

水を使って描くと、紙が波打ってしまいます。紙は、濡れると膨張し、乾くと縮小します。これを防止するために、通常は「水張り」というのを行います。紙にハケで水を塗り、パネルに水張りテープで固定するのです。こうしておくと、紙が波打たずにキレイな状態で描けます。しかし、これが結構面倒です。そのため、水彩色鉛筆では、ブロックタイプのスケッチブックがおすすめの紙です。ブロックタイプのスケッチブックは、四隅がノリで貼り付けてあるため、波うちを防止してくれます。

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水彩色鉛筆でおすすめの紙、11選

1、DO アートペーパー(muse 紙厚209g/㎡、A4、1,280円/15枚)

コットン100%の高級水彩紙。コットン100%は、保存性が良く、柔軟性があるのが特徴です。

紙色がかなり白いので、色が鮮やかに美しく見えます。また、適度なざらつきがあり、色鉛筆での描き味が良いです。そして、芯が紙によくかかるので、一度で濃く色をつけることができます。硬めで発色の弱い色鉛筆でも活躍してくれます。紙目も細かいので、直書きでの精密な描写も可能。吸水のスピードはややゆっくりで、水をよく含むので、滲みやボカシがやりやすいです。

1回、軽く水溶きするぐらいなら大丈夫ですが、下の写真ぐらいに水を使う時は、紙が少し波打ちます。ブロックタイプの販売はありませんので、水張りが必要です。

2、ウォーターフォードホワイト水彩紙 細目(紙厚300g/㎡、F4ぐらいで、3,100円/12枚)

コットン100%の高級水彩紙。紙色はナチュラルとホワイトがあります。荒目・中目・細目とあります。水彩色鉛筆には細目のホワイトの紙がおすすめです。

保存性が良く、しなやかな柔軟性がある紙です。油性・水性問わず、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。紙色は白く、発色がとても良いので顔料の鮮やかさが映えます。キメ細かいですがややザラつきもある紙で、鉛筆の描き心地も良いです。滲みやぼかしがとてもキレイに出てくれるので、水彩表現にばっちりな紙です。

「良い紙使うと、腕がなくても良く見えるんだな」と実感する紙です(笑)紙の吸い込みや乾燥は遅めです。高級紙ですが、取り扱いが多いので入手しやすいところがおすすめポイントです。

紙厚が190、300、425、638gとかなりの厚みのものまであります。190gのものは、大判なので水張りして使用します。やや波打ちしやすい紙なので、300gのブロックタイプのパッドが使いやすいです。

3、STONE HENGE AQUA 水彩紙 細目(紙厚300g/㎡、A4ぐらいで、3,100円/15枚)

コットン100%の高級水彩紙。コールドプレス(荒目)とホットプレス(細目)があります。色鉛筆画にはホットプレスがおすすめです。保存性が良く、とても滑らかで、しなやかな柔軟性がある紙です。海外の多くの色鉛筆アーティストに愛されている紙で、油性・水性問わず、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。紙色は白く、発色がとても良い。キメが細かいので鉛筆の線もとてもクリアに引けます。

しっかりとした厚みがあるので、水をつけても、紙が波打ちにくいです。下の写真ぐらいの使い方で、ギリギリ大丈夫。しっかりとした描きこみにも対応できます。色の滲み方が、とてもカッコいいですね。吸水のスピードはかなりゆっくりで、水をよく含みます。滲みやボカシをつかった描き方から精密画、イラストなど幅広く使うことができます。

4、コットマン水彩紙 細目(紙厚270g/㎡、F3で1,485円/18枚)

ウィンザー&ニュートン水彩紙。生産は国産です。細目・中目・荒目と3種類の紙目のものがあります。見本の写真は細目ですが、中目のものも使えます。吸水スピードや乾燥が早いので、色を重ねる作業が早く進みます。滲みが少なめで、紙の凸凹が少なく、色が浅くなりがちなので、物足りない印象もあるかもしれませんが、明るい発色で、クリアな画面がつくれます。色はナチュラルホワイトですが、それほど明るくはありません。きめ細かい肌で、鉛筆の線もとても引きやすいので、油性も水彩も使用できます。

取り扱いが多く値段も手頃。水彩紙のエントリーモデルの中でも厚手の紙です。水で溶かしたときの波打ちが少ないです。鉛筆の線を生かした精密な描き方やイラストレーション、などにおすすめです。

5、アルビレオ水彩紙(ホルベイン 紙厚218g/㎡)

100%純良パルプ。中目水彩紙ですが細目に近い紙目です。取り扱い店が多く、たいていの画材店で入手できます。水彩紙の中ではリーズナブルな部類に入ります。紙色はナチュラルホワイトで、発色は良いです。紙色はほどほどの明るさです。柔らかめでざらつきのある紙です。直描きはやわらかめの色鉛筆が向きます。精密な描写も可能。吸水は比較的早めですが、水の含みは良く、良い感じで滲んでくれます。バランスが良く、色々な表現が試せるので、初めて本格的な水彩画をする人には扱いやすい紙だと思います。

紙の張りが弱めで、水を含むと紙が波打ちやすいので、水張りをするか、ブロックタイプのパッドをおすすめします。

6、ホワイトワトソン水彩紙(190g/㎡〜300g/㎡、F2で1,600円/15枚)

コットン高配合の水彩紙。取り扱いが多いので、大抵の画材店で入手できます。適度なざらつきがあり、紙目もそれほど荒くはないので、鉛筆書きも問題なくできます。吸水性が高く、発色も良いので、滲みやボカシの表現が楽に行えます。水彩っぽい描き方が向いています。白がかなり白いので、淡い色の濃淡も美しく表現できます。

比較的波打ちは少ない紙です。厚口(190g)〜超特厚(300g)までのバリエーションがあります。特厚ならば水張りしなくても、あまり波打ちすることはありません。190gの紙でも軽く水溶きする程度なら、水張りしなくても大丈夫です。しっかり水を使って描く場合は、ブロックタイプのパッドを使います。ロール紙や60号サイズの紙もあるので、大作を描くこともできます。

水彩色鉛筆でおすすめの紙、11選

7、ワーグマン細目(245g/㎡、F4で2,475円/18枚)

オリオンから販売されている、良質パルプの高級水彩紙。バランスの良い水彩紙です。紙色はあまり明るくありません。厚手の紙で「中目」と「細目」を両面に組みあわされており、細目は紙目が細かいので、色鉛筆で描きやすいです。硬めで密度の高い紙なので、発色が弱めの水彩色鉛筆でも強い線が引けます。吸水や感想のスピードがやや早めで、レイヤーを重ねる作業が進みます。滲みやぼかしの表現も可能。しっかりした紙なので、水をたくさん使いながら色々と試してみるのにはもってこいな紙です。

ロール紙でも販売されているので、大作にも使用できます。特厚245gのブロックタイプのブックがお勧めです。

8、VIFART(ヴィフアール)水彩紙(242g/㎡、F4で1,500円/22枚)

木材パルプを原料にした、安価なエントリーモデルの水彩紙。取り扱いが多いので、大抵の画材店で入手できます。初心者さんの練習やお試し用としてオススメの紙です。紙目は荒目〜細目まであり、荒目以外は水彩色鉛筆に向きます。直書きはやわらかめの色鉛筆が向きます。中目ではあまりクリアな線を引くことはできませんので、精密に描くなら細目を使用するよ良いです。よく水を吸いますが、吸水スピードは早く、比較的早く乾きます。滲ませながら描くのに向いています。後から水をつけて修正するのも楽なタイプの紙です。色はナチュラルホワイトですが、あまり明るい白ではありません。

価格の割には、ちゃんとした水彩紙です。油性色鉛筆には向いていませんが、水彩色鉛筆で使用するには良い紙です。比較的厚手の紙ですが、水を含ませると、描いている時はかなり波打ちます。乾くとそれなりに収まりますが、描きにくいので、水張りするか、ブロックタイプのパッドをおすすめします。

9、TOUCH Ⅱ(230g/㎡、F4で1450円/18枚)

シリウスと同じ、水彩もできる画用紙です。取り扱いが少ない紙です。紙色が白く、細目でざらつきのある紙です。鉛筆、色鉛筆、水彩と画材を選ばずに使える紙です。水の含みは悪いので、水彩紙としての性能は今ひとつですが、滲みやぼかしの表現もその気になればできます。鉛筆のかかりが良く、しっかりと濃い線が引ける紙なので、メリハリのある絵が描けます。

VANGOGHウォーターカラーペンシルカランダッシュ・スプラカラーソフトなどの色付きが薄めの水彩色鉛筆でも使いやすい紙です。水彩、油性色鉛筆、チャコール、鉛筆など、汎用性が高い紙で、特にダーウェントアーチストプロカラーユニカラー 、などの硬めの色鉛筆を使うなら絶品の書き味です。

硬めで密度が高い紙なので、画面に水が溜まりやすいです。ドライを中心に、水は控えめに使う描き方が向いています。精密な描写など。

10、シリウス(168〜247g/㎡、F4・特厚で407円/12枚)

オリオンのオリジナル水彩画紙。取り扱いが多いので、大抵の画材店で入手できます。2019年3月のリニューアルから、両面にエンボスがついて、裏・表どちらも使えるようになりました。紙色はナチュラルホワイトですが、あまり明るい白ではありません。お試しで水彩色鉛筆をはじめてみるなら、この紙かヴィフアールがおすすめです。特にシリウスは、価格も安く、鉛筆デッサンや油性色鉛筆画でも使用することができ、汎用性が高いので、購入しても無駄になることはありません。「ちょっと良い画用紙」という立ち位置の紙なので、水の含みは悪く、水彩紙としての性能はあまりありません。

硬めの紙で紙目も細かめなので、精密な描写もできます。滲みのカッコ良さは期待できないので、描線を生かした描き方が向いています。

厚口(168g)から特厚(220g)、超厚(247g)まであります。比較的波打ちの少ない紙です。超厚のものは、下の写真ぐらいの使用なら、紙が波打つことはありません。ロール紙は120号まで取れるので、大作にも使用できます。

11、muse Color Pencil PAD(186g/㎡、B5で580円/20枚)

色鉛筆用のパッドとして販売されています。油性・水彩とどちらでも使うことができます。紙目はやや大きめですが、ザラつきはあまりありませんので、クリアな線がひけます。吸水は遅めで、ほどよく滲みやぼかしも表現できる紙です。精密画・水彩風とどちらもそれなりにこなすことができる紙です。紙色がかなり白いので、発色良く、鮮やかな色彩を表現できるのが一番のポイントです。

紙はやや薄手で、波打ちしやすいです。手軽にスケッチに持っていけるというのが売りの製品なので、切り離して水張りしてつかうよりも、ブックのまま水分控えめで使用する方が良いですね。

水彩色鉛筆でおすすめの紙、11選,まとめ

国産のもの、海外のものと水彩紙は種類が多いです。お値段も、びっくりするぐらい高いものがありますしね。そこそこのお値段の紙は、サンプル紙を販売しているので、それを購入して、試してみると良いと思います。画材屋さんでは、サンプル紙を置いてくれています。紙目や紙の厚さ、紙色などはそこでチェックすると良いと思います。特に紙色は、「ナチュラルホワイト」と書かれていてもクリーム色に近いこともあります。水彩色鉛筆は、できるだけ白い紙の方がキレイに仕上がるので、おすすめです。

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まとめに水彩紙の一覧を表示しておきます。私も試していない紙があります。

1、コットン100%の紙

  • StoneHenge(ストーンヘンジ)アクア:細:柔らかい:白:米国、やや厚手で滑らか&シルキー。高価。
  • ランプライト水彩紙:中:柔らか:暖色系の白:日本、やや厚手
  • ウォーターフォードホワイト水彩紙:細:柔らかい:ナチュラルホワイト:米国
  • アルシュ/ブライトホワイト水彩紙:極細、柔らかい:ホワイト:フランスの高級水彩紙
  • Beアートペーパー:細:柔らかい:ナチュラルホワイト:日本、手頃な価格のコットン100%水彩紙
  • Doアート水彩紙:中目:やや柔らかい:ナチュラルホワイト:日本、手頃な価格のコットン100%水彩紙
  • マーメイド水彩紙(ホルベイン):荒目:ナチュラウホワイト:中厚

2、コットン配合紙

  • キャンソン・ミ・タント:中目:柔らかい:ホワイト:フランス。薄手。パステル紙として有名。コットン高配合
  • ホワイトワトソン水彩紙:中目:普通:ホワイト:日本。手頃な価格のやや厚手水彩紙。コットン高配合
  • ニューブレタン水彩紙:細め:普通:ナチュラルホワイト:日本。コットン高配合
  • クレスタ水彩紙:中目:柔らか:ナチュラルホワイト。日本。両面使用できる。

3、パルプ他

  • ワーグマン水彩紙:細め:柔らか:ホワイト:日本、裏表で中・細目
  • アルビレオ水彩紙100%純良パルプ。中目、ホワイト。日本。手頃で良質
  • コットマン(ウィンザー&ニュートン):細め、普通、ナチュラルホワイト。
  • モンバルキャンソン:中目、ナチュラルホワイト、フランス。初心者向けの手頃な水彩紙として有名。フランス
  • バンブー:竹:細め、柔らかい:ナチュラルホワイト
  • muse color pencil pad:中目:柔らかい:ホワイト:日本
  • タッチⅡ:中目:硬い:ナチュラルホワイト
  • シリウス:細め:硬い:ナチュラルホワイト:鉛筆ノリが良い、両面エンボス
  • ヴィフアール水彩紙:細め:硬い:ナチュラルホワイト:日本。
Categories: 水彩色鉛筆
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