色鉛筆画の保存 ワックスブルーム を取り除く方法,油性色鉛筆の中でも、ワックスベース の色鉛筆(一部の高級な色鉛筆とほとんど多くの一般的な色鉛筆)は、塗り重ねていくとワックスブルーム という現象が起こります。塗り重ねた色が、白く霧がかかったように見える現象です。特に暗い色に起こりやすいので、これがあると、せっかく描き込んだ暗い部分が白っぽく見えてしまって、残念な印象になってしまいます。ワックスブルーム の取り除き方と予防方法をまとめました。
色鉛筆画の保存 ワックスブルーム を取り除く方法
ワックスブルーム とは?
Q,鉛筆・色鉛筆 :色鉛筆で書いた部分が白くなってしまいます。
トンボのWebサイトより https://www.tombow.com/faq/19p/
A,色芯の材料には、ワックス類が多く含まれています。描いた部分が白くなるのは、ワックス分が表面に押し出されて細かいワックスの粒ができるからです。ワックスは表面に出る方が自然なのです。色芯そのものの表面が時間の経過とともに白くなるのも、同じ理由です。
そうゆうことらしいです。トンボのウェブサイトにはこれ以上の記述はありませんでした。
ちょっと不親切よね…。
ワックスブルームは、ワックスベースの色鉛筆に起こる現象で、オイルベースの色鉛筆では起こりません。とくに、幾重にも重ね塗りをしていくと起きる現象で、特に濃い色は起きやすいそうです。私も何度かワックスブルーム に悩まされました。と、いいますか、ワックスブルーム なるものがあるとは知らずに「なんでこれ、明るくなっちゃうんだろう…」と思ったもんです。
まさかそれが、ブルーム現象だったなんて…。ブルームが起きた絵はこちら
色鉛筆画の保存 ワックスブルーム を取り除く方法
以前、ホルベインの色鉛筆について問い合わせた所、とても親切な回答をいただきましたので、そのまま掲載しておきます。
ホルベイン アーチスト色鉛筆はワックスベースになります。
殆どのメーカー品も油性・水性の違いはありますがワックスベースが多いと思います。
ホルベインの色鉛筆は軟質タイプですのでワックス分が表面ににじみ出、ブルーム現象が出る場合があります。特に高温下では発生しやすいですので、夏場を超えますと注意が必要です。ブルームが起きましたら、表面を筆・ティッシュペーパーなどで擦りますと元の色に戻ります。
スプレーパステルフィキサチフを吹きかけて戻すこともできます。
パステルフィキサチフをかけますと、色鉛筆の塗り重ねもしやすくなりますのでお試しください。
ワックスブルームを回避するには、低温での保管をおすすめします。
とても親切。一部の隙もない素晴らしい回答をいただきました。ありがとう!ホルベインの担当さん!!
また、ダーウェントから出ている「バーニッシャー」やカランダッシュのフルブレンダーもあわせて実験。
ティッシュで拭き取ると、光沢のある黒になりました。とても綺麗です。パステルフィキサチーフとダーウェントのバーニッシュは、マットな仕上がりで、テカリがないので見えやすいです。ティッシュで拭き取らずに行いましたが、一度拭き取ってから、表面保護のためにフィキサチーフやバーニッシュを使う方が綺麗な仕上がりかもしれません。
ワックスブルーム が出ないようにするには?
色鉛筆画の仕上げと保存について
ワックスブルーム は一度取り除いても、放っておくとまた出てくるものです。その度に軽くティッシュで拭き取ればいいのだけれど、ホルベイン さんからは「低温で保管」とのことでした。
たぶんそれが一番いいのでしょう。
海外のサイトをみていると、仕上げの「ニス」を塗ったりする人もいるみたいですね。表面に仕上げのコーティングをすることで、ワックスが表出するのを防ぐみたいです。けれどそれも賛否あるようです。
一番多くの意見は、色鉛筆用の固定スプレーを使うと書かれていました。人によってはヘアスプレーを使うとも(笑)それはないわ…と思って調べてみたら、こんな記事が!!「フィキサチーフの代用品にヘアスプレーを使えるのは本当?」まぢかぉ?
ま、結果としては、「専門の技法書ではおすすめしていない」と書かれているので、そうなんでしょう。
別のブログでこんな記事があったので掲載します。
フィキサチーフの安価な代替品としてヘアスプレーを使用することについてはどうですか?
鉛筆とパステルのアーティストのためのLoxleyFixative
ヘアスプレーを固定剤として使用しないでください。ヘアスプレーのメーカーは、アートワークではなく、髪に使用するためにこの製品を製造しています。ヘアスプレーは酸を含まないわけではないので、アートワークにスプレーすると、時間の経過とともに黄色くなる可能性があります。ヘアスプレーに含まれる酸は、顔料の変色を引き起こす可能性があり、紙をもろくする可能性もあります。ヘアスプレーを使用したことがある場合は、粘着性の残留物が残ることがあり、作業に適さないことがあります。アート用に作られた固定液を購入することをお勧めします。これは、長年にわたって作品を適切に保護するのに役立ちます。
固定用のスプレーには2種類あって、「仕上げに使うフィニッシュコート」と「あとで書き加えることができるもの」があるそうです。教えてくれた「パステルフィキサチーフ」は後者にあたるものですね。前者のフィニッシュコートはいわゆる「バーニッシュ」で、ホルベインのFAQに記事がありました。
Q | 色鉛筆の保護剤には何がいいですか。 |
A | 基本的にはクレヨンコート(ツヤ消し)ですが、ツヤ出しならグロスバーニッシュ、褪色防止ならUVマット/グロスバーニッシュがおすすめです。 |
それでも、ワックスブルーム を完全に予防できるわけではないようですが、アート作品は、最後の仕上げがとても重要なので、作品を守る意味でも、パステルフィキサチーフや、バーニッシャーで仕上げておくのは良いのだろうと思いました。
●ペンシルタイプのバーニッシャー
価格:3,072円 |
価格:550円 |
●ホルベインの色鉛筆
柔らかく軽やかなタッチで、鮮やかな発色の色鉛筆です。非常に高品質。カリスマカラーなどと併用できます。中間色が豊富です。
今話題の「コロリアージュ」「大人の塗り絵」に最適【あす楽対応】ホルベイン アーチスト色鉛筆50色セット 価格:10,285円 |
●ワックスブルーム が起きない、オイルベースの色鉛筆を選ぶのも一つの方法です。
MR:Derwent ダーウェント 色鉛筆 ライトファスト メタルケース 36色 セット 2302721 価格:22,895円 |
FABER-CASTELL(ファーバーカステル) ポリクロモス色鉛筆 36色(缶入) 110036 (10800) 価格:7,365円 |
●色鉛筆用フィニッシュコート
クレヨン保護スプレー ホルベイン クレヨンコート 220ml 価格:1,267円 |
ホルベイン グロス バーニッシュ (つや出し・画面保護用ワニス) 220ml スプレー式 価格:1,408円 |
ホルベイン UVグロス バーニッシュ 220ml (スプレー) 価格:1,650円 |
●パステルフィキサチーフ
ホルベイン パステルフィキサチーフ 300ml(フキサチーフ、フィキサチフ、定着剤、定着液) 価格:1,265円 |
- 色鉛筆の使い方〜初心者でも簡単5つの基本〜
- 色鉛筆の使い方〜応用テクニック〜
- ふわっとぼかした絵を描く方法
- ワックスブルーム を取り除く方法
- 色鉛筆の溶剤で色をぼかす&まぜる
- 色鉛筆を消す・薄くする方法
- これ以上色がのらない?つるっとなった紙目を復活させる
- 色鉛筆の混色のコツ〜重ねる&混ぜる〜
- リアル画の必須テク、バニシングの方法
- 色鉛筆は消しゴムで消えるの?消えやすい色鉛筆は?
- ハイライトに使える&細い線が引ける白い色鉛筆はどれ?
View Comments (0)