技法研究室

メルツペンとカラーレスブレンダーの違い

メルツペンとカラーレスブレンダーの違い

メルツペンとカラーレスブレンダーの違い,ホルベインから販売されている「メルツペン」とカリスマカラーやダーウェント、カランダッシュなどから販売されている「カラーレスブレンダー」。
どちらも、油性色鉛筆の色をぼかしたり、のばしたりするものです。どんな表現の違いがあるのか、比較してみます。

油性色鉛筆は、その名のとおり”油性”ですので、油で溶けます。ですから、ふつうに考えると双方とも「油」が主原料となっているんだろうと思います。

カラーレスブレンダーは、その名の通り、「色を無くした色鉛筆」で、色鉛筆のワックス(オイル)を溶かしやすいワックスかオイルを固めたものなんだろうと予想できます。一方で、メルツペンの方は?

ホルベイン画材のパンフレットによれば、メルツペンについてこんな風に書いてあります。

油性の色鉛筆を使って水彩画のような表現をする場合、「線描き」をなくすためのぼかしが決め手になります。従来は、テレピンやペトロールと呼ばれる油絵に使用する溶剤を用いてきました。しかし、これらの溶剤ですと、紙にしみこんで裏移りしてしまいます。その不便さをなくしたのが、水性のぼかし液「メルツ」です。

『アーチスト色鉛筆カタログ』ホルベイン画材

なるほど。確かに水性ならば、裏移りはしません。水性のもので油性を溶かすなんて、どうやってんのかは分かりませんが、すごい技術ですね。水溶性油なのかな?界面活性剤でも使っているんですかね…?

双方とも、原材料については表記がないので正確には分かりませんが、実際に塗り比べると違いが明確です。

メルツペン
カラーレスブレンダー

メルツペンは水彩風の滲みのあるかんじで、じわっと色が伸びます。
一方、カラーレスブレンダーは、そこまで色は伸びませんが、色が混じりあって、まわりの色と馴染みます。

<メルツペンとカラーレスブレンダーの比較,表>

メルツペンカラーレスブレンダー
性質水性・液体油性・固形
価格250円税抜(ペンタイプ)
380円税抜(メルツぼかし液)
2本で500円ぐらい〜
メーカによって異なります。
筆ペン鉛筆
滲み色が滲む
水彩のように、発色しながら、
紙に滲んで色が伸びる。
色は滲まない
少し発色がよくなる
ぼやーっと色がまわりに伸びる。
混色色は混ざりにくい。
紙面上で色を混ぜようとすると、紙が痛むので、別の紙をパレットにして混色する方が良いです。
水彩色鉛筆のように上手くできませんでしたが…。
色が混ざる。
紙面上でブレンダーを塗ると、周りの色と馴染んでキレイに混色されていく。
紙面上で多用すると、紙が傷みやすい入手がやや困難
広い面に適用できる。細部を調整できる
メルツペン とカラーレスブレンダーの違い

最大のちがいは、「色が混ざるか?混ざらないか?」「滲むか?滲まないか?」という2点です。

メルツペン でも全く色が混ざらないわけではありません。しかし、液は上から浸透していくので、色鉛筆の色も重なった順に溶けていきます。上の層は簡単に溶けますが、下になるほど溶けにくいので、それがうまく色がまざらない原因だと考えられます。一方で、カラーレスブレンダーは鉛筆形の芯によって、紙面に圧がかかるので、下の層についた色鉛筆を剥がしながら混ぜ合わせることができるのだと思います。

ホルベイン アーチスト色鉛筆 ぼかし液メルツ

価格:418円
(2020/11/6 14:08時点)
感想(4件)

●それぞれの代用品として考えられるもの

<メルツペン >

メルツペンは、油彩画で使用する「揮発性油」=テレピンやターペンタイン で代用できます。
これらは、強力に色を溶かすことができますが、紙を通してしまうので、裏移りします。あと、灯油みたいな匂いがきつい。こうした欠点は、色鉛筆の良さである「手軽さ」がなくなってしまいますね。

手軽に、ベビーオイルやワセリンも「ぼかす」ことはできますが「滲み」までは再現できません。

ぶちゃけ、水彩色鉛筆というものが世に出回っておりますので、そっちの方が便利です。カラトアクェレルやスタビロのアクアカラーみたいにドライで使っても違和感があまりないものもありますしね。このメルツペンは、水彩色鉛筆をラインナップしていないホルベインならではの商品ですね。(水彩色鉛筆の記事はこちら

ホルベインアーチストの色が好きな方は、メルツペンおすすめです。
購入の際は、ペンだけでなく液体が入ったボトルを購入するのをお勧めします。ペンは無くなるのが早いし、水彩風にするなら、それなりに量をつかった方がきれいに滲みます。

<カラーレスブレンダー>

カラーレスブレンダーは、各メーカーから出されていて、それぞれ性質が異なっています。

使っている色鉛筆と異なるメーカーのブレンダーを使っても、見た目的には問題ありませんが、たぶん同じメーカーのものを使った方がより良いのでしょう。
※詳しくは、「カラーレスブレンダーを比較/色鉛筆」に掲載します。

代用品としては、ワセリンやベビーオイル、消毒液、テレピンなどが候補として挙げられます。これらのものは、「ぼかす」ことはできますが「色をまぜる」ことについては、カラーレスブレンダーほど上手くはできません。
※詳しくは「色鉛筆の溶剤とブレンダーを比較」に記載します。

代用品と言えるのかどうかわかりませんが、「色鉛筆の白やクリーム色」が同じ働きをします。少し色は白くなりますけどね。そもそも、「白やクリーム色」で色を混ぜていた人が、ちょっと白っぽくなるのが嫌だから、「カラーレス」が欲しいってことで開発された製品だと思うし…。ね。

kazikaeru

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