色鉛筆でリアルな猫を描く
色鉛筆でリアルな猫を描く,モデルはうちの猫さんです。いっちゃんと言います。
動物のリアル画は、毛並みがあったりして一見ハードルが高そうですが、私の見本ぐらいの色鉛筆画なら、ちょっとコツを押さえれば簡単に描くことができます。必要なものは、適した色鉛筆と道具、良いモデルの良い写真、あとは根気と時間です。できあがれば、満足度は高いです。
準備するもの
- 紙:Beアートペーパー。他の紙でも大丈夫です。目の細かいスムーズな紙がおすすめです。
※おすすめの紙はこちらの記事を参考にしてください。 - 色鉛筆:カリスマカラー(旧プリズマカラー )。他の色鉛筆を使っても大丈夫ですが、柔らかくて重ね塗りができる色鉛筆がよりキレイな仕上がりになりますです。カランダッシュ・ルミナンスやダーウェント・ライトファストなど。もちろん、三菱880やトンボの色鉛筆を使ってもOKです。
※色鉛筆選びはこちらを参考にしてください。 - カラーレスブレンダー:あると便利です。無くても描けます。
- ブラシ:塗りカスを払うためのブラシ。100均のメイクブラシでもOK。
- 白のボールペン、もしくは出なくなったボールペン:毛描きのために使います。
- ポスカ(細字)白:ハイライトで使います。無くてもOK。
- パステルフィキサチーフ:仕上げや色が乗らなくなったときに吹きかけます。無くてもまぁ、大丈夫。
- かわいい猫さんの写真:A4程度にモノクロプリントしたもの。
描き方
所要時間: 10時間.
色鉛筆でリアルな猫を描く方法(番号はカリスマカラーの色番号です。無い場合は近い色を使用します。)
- 紙に下絵を転写する
白黒コピーした紙の裏を鉛筆で塗り、上から引っ掻いてアウトラインを転写します。
直接紙に下絵を描く場合は、Hぐらいの薄い色鉛筆を使います。 - 猫のリアルな目を描く①
目の周りと瞳孔を塗ります。
1)901 インディゴブルー+947ダークアンバー
2)1031 ヘナ(くすんだ赤い茶色)
3)1023 クラウドブルー 瞳孔の中心から外に向かって放射状に描きます。 - 猫のリアルな目を描く②
目の明るい部分から描きます。
暗くなった部分を戻すのは面倒なので、明るい部分を確保するように描きます。
4)914 クリーム
5)1025 グレイドラベンダー - 猫のリアルな目を描く③
目を描く大事なポイントは、ハイライトと虹彩です。ここを描きわけると、本物っぽい目になります。
常に瞳孔から放射状の線を意識します。
6)1034 ゴールデンルー まつ毛の影を意識します。
7)925 クリムゾンレイク まぶたの裏の血管を意識した色。
8)902 ウルトラマリン 虹彩を意識しながらブルーを入れます。←ここ大事。
9)948 セピア 眼球の影を描きます
軽く全体を白でバニシングしてからもう一度、9)セピアで目の周りの虹彩をもう一度描きます。 - 猫のリアルな目を描く④
もう少し、瞳に色味が欲しいので、黄緑色をプラスします。
10)913 スプリンググリーン
白でバニシングします。 - 猫のリアルな目を描く⑤
9)948 セピア 目の縁を意識して、強く塗ります。
虹彩を902マリンブルーや903トゥルーブルー、1021ジェードグリーンなどで描き加えながら、白やグレーでバニシングを繰り返して目に立体感を加えていきます。
瞳孔や目の縁などの暗い部分は、暗さを保ちたいので、カラーレスブレンダーや同色でバニシングします。
目の上下の毛の部分を、出なくなったボールペンなど先の尖ったもので引っ掻いて、溝をつくります。「毛描き」です。こうしておくことで、上から色を重ねても、溝の部分には色が入らずに、白い部分が確保できます。 - もう片方の目も描く
同じようにして、両目を描きます。
全体に白く抜きたい部分に毛描きも施しました。 - 猫の毛を描く①
毛のハイライト部分は、毛描きで確保したので、次に明るい色を塗ります。
1083 パティベージュ 目の上や鼻のあたりなどの出っ張った部分は温かみのあるグレーを使います。
1060 クールグレー20% 凹んでいる部分、影の部分は、青系のグレーを使います。青は退行色なので凹んでいるように感じさせる効果があり、リアリティが増します。 - 猫の毛を描く②
光の当たっている部分は黄色系の色をのせます。
914 クリーム
その後をまた、毛描いて、明るい部分を確保します。 - 猫の毛を描く③
色をのせる→毛描きを繰り返しながら、ディティールを作ってゆきます。
目の周りは特にしっかりと描きます。
毛の流れ(赤い矢印)を意識しながら、ハッチングで色をのせます。
11)942 イエローオーカー
12)945 シェンナブラウン
13)947 ダークアンバー
目の周りの暗い部分やまつ毛は、セピアやネイビーなどの濃い色でしっかりと描きます。 - 猫の毛を描く④
黒やセピア、グレートーンを使って、毛並みを描き足していきます。
黒やダークブラウンを使って、目の周りにしっかりと立体感を出します。
目の周りを描いていくと、瞳の部分が物足りなくなってくるので、あわせて描きこみます。
瞳に映る、毛の影を描きこむとリアル感が出ます。 - 猫の毛を描く
近くにあるものは明確にメリハリをつけて。遠くのものは、ぼかして描くと現実感が出てきます。
バニシングを使ってぼかした後に、先を尖らせた色鉛筆で毛を描くと、毛の前後関係を表現できます。
14)943 バーントオーカー - 光を描くと存在感が出てきます。
影の部分をシェーディングしたり、光の部分を明るくすることで、立体感が出て、実物のような存在感がでてきます。
瞳の中にはポスカの白でハイライトを入れてあります。瞳に瑞々しさが出ると、生きている目になってきます。
濃くなりすぎた部分は、マスキングテープでぺたぺたとすると、薄くすることができます。
※詳しくはこちらの記事を参照してください。 - 猫の鼻を描く
毛の流れ(赤い矢印)にそって毛描きをして、白い部分を確保します。
明るい色から置いていきます。
15)997 ベージュ
16)927 ライトピーチ+939 ピーチ
17)941 ライトアンバー
18)926 カーマインレッド
19)948 セピア - 猫の鼻を描く
グレートーンでバニシングをします。明るい部分は白で、暗い部分は50%ぐらいのグレーで強く塗ってなめらかな面をつくった後に、尖った色鉛筆で詳細を描き加えます。
はじめに毛描きした線を潰さないように、黒の色鉛筆で鼻の毛の生え際を丁寧にしっかりと塗ります。
鼻の頭の明るい部分は、ぶつぶつっとしたディティールがあるので、そこを描くと本物感が出ます。 - 仕上げ
口元、眉毛やヒゲも、尖らせた色鉛筆で描き加えます。実物の写真を見ながら丁寧に仕上げます。
パステルフィキサチーフを全面に吹きかけて完成。
色鉛筆でリアルな猫を描く,まとめ
この作品の制作にかかった時間は、15時間ほどです。リアル画というと40時間以上かけて描く人もいますから、これはだいぶ簡単に描いたリアルタッチの色鉛筆画です。このぐらいだと、適度に力の抜けた、軽やかな雰囲気に仕上がりますね。
リアル画は丁寧に描き込むほど、生命感が出てきて本物っぽくなってきます。それはとても楽しい作業です。どんな色鉛筆を使っても、リアルなタッチで描くことができますが、こうした「描きこみ」を楽しみたかったら、重ね塗りができる専門家用の色鉛筆を使ってください。
色数は多い方が楽ですが、多くの色数のセットを購入しても、使わない色がたくさん含まれてしまいます。24〜36色セットを購入して、単色で買い足すのがおすすめです。
カリスマカラーの単色買いはこちら安い120色 < 高級な24色 の方が使えるということですね。
おすすめはカリスマカラーです。カリスマカラーの隠蔽度(下の色を隠す力)の高さと柔らかさ、発色の良さは、扱いやすいですし、値段も手頃です。(「色鉛筆の透明度・隠蔽度」)
カリスマカラーの36色セットただし、カリスマカラーの「ブルー〜グリーン、ピンク、ムラサキ」系の色は退色しやすいので、気になる方は、ルミナンスやライトファスト、ホルベインアーチストなんかと併用すると良いです。(「色鉛筆の耐光性についてはこちら」)
●ハウツー&チュートリアルの記事
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