色鉛筆の使い方〜5つの基本〜

色鉛筆の使い方〜5つの基本〜
大人の塗り絵(コロリアージュ)などで役に立つ、油性色鉛筆の使い方の簡単なテクニックのまとめです。使い方の基本をおさえると、大人っぽい塗り方になり、ワンランク上の仕上がりになります。
とても簡単なので、ぜひ試してみてください。
色鉛筆の使い方〜5つの基本〜
1、ふちどりしない。

ふちどりすると、エッジが効く&はみ出ないので、キレイに見えますが、ふちどりはしない方が、自然な仕上がりです。ふちどりの枠を描いてしまうと、「その線からはみ出さずに塗ろう」と思いますが、実は色は、多少はみ出た方が、仕上がりが自然でカッコイイんです。
なぜなら・・・自然界では、物と物の境界ぴったりに色が変わることはありません。物の色は周りの物の色と影響しあっています。周りの色が反射して映り込んでいたり、逆にその物の色が周りの物に映り込んでいたり。
そのため、少しはみ出して塗った方が、周りの色と馴染んで、自然の色に見えるのです。
2、どの方向に塗る?

いろんな方向に塗ったらダメ!とはよく言われますね。一番左側、小さい子供はこんな感じで塗っちゃっいます。
キレイに塗るには「一方向に塗る」と言われています。真ん中、綺麗ですね。平坦に均一に塗れますし、微妙な力の調整はこの塗り方がキレイにできます。
また、より立体感を出したい場合は、面をに沿って塗ります。
写真の真ん中と右側を見ると違いが良くわかります。右側はわかりやすくするために、あえてハッチングの線(細かく引いた線のこと)を強く出していますが、丸が立体感が出て、球になっているように見えますよね?
コレは、鉛筆デッサンの基本的な表現でもあるのですが、こうして面の方向に向かって線を引くと、がぜん立体感が出てきてカッコよくなります。
特に、線を引きながら、色を塗りながら、「この面はこっちが上、こっちが上」とか「ここに段がある、段がある」とか「奥にいけ、奥にいけ」とか。念じながら塗ると、さらに、それっぽくなります。
3、鉛筆を立てたり、寝かせたり

色鉛筆を寝かせて腹で塗ってみたり、とがった鉛筆の先で塗ってみたり。色々な塗り方を知り、ケースバイケースで使い分けると画面に質感が出てくると思います。写真の一番左は、尖らせた色鉛筆を使って、すこし鉛筆を寝かせた状態でぐるぐると円を描きながら塗っています。ふわっとやわらかい感じになります。
真ん中は、一方向に塗ったもの。均一でしっかりとした面が作れます。
右側は鉛筆を立てて塗ったもの。ハッチングがはっきりとしてきて、密度があるものの質感表現に良く合います。
4、ベースになる色を塗る

まず、左右の絵を見比べてみてください。
左側の方が色の奥行きがあって、良い雰囲気ですよね。
これは、上から塗っている「茶色」の色は同じ色ですが、左側の絵は、ベースに「黄色」を塗っています。
このように、ベースに色を塗ることで、色に統一感が出ますし、混色された色が奥行きを与えてくれます。
特に、黄色は光の色に感じやすいので、明るくあったかい画面を作るのにおすすめ。
ちなみに、スケッチの時なんかは、黄色と紺の色鉛筆を2本持っていると便利です。
※ユニカラーのように、重ね塗りすると表面がつるっとなってしまうタイプの色鉛筆は、先に明るい色を塗ると、その後に濃い色が乗りません。その場合は、濃い色から塗ることで、本来の濃さまで色が付きます。また、表面がつるっとなってしまった場合は、フィキサチーフ(定着剤)をかけると、色を重ねられるようになります。
詳しくはこちらの記事「これ以上色がのらない?つるっとなった紙目を復活させる」を参考にしてください。
色鉛筆の使い方〜5つの基本〜,5、色鉛筆の削り方

色鉛筆は、柔らかく折れやすいので、カッターで削るのが、最も無駄なく色鉛筆を使える方法です。しかし、面倒な人は色鉛筆用の鉛筆削りを使いましょう。
鉛筆用よりも芯が短く削れるので、折れを防ぐことができます。鉛筆削りによって、削り口のサイズや芯の出る長さが違うので、自分の使っている色鉛筆と合うものをチョイスします。
私はLYRAの鉛筆削りを愛用しています。木の質感がかわいく、ちょうど良い芯の長さで削れます。しかし、リラは子どもでも安全に使えるように、歯の切れ味が悪くなっています。
国産の鉛筆削りは切れ味抜群!
これまで、最も気に入った鉛筆削りは、世界堂の色鉛筆コーナーで「おすすめ」と書かれていた150円ぐらいのプラスチックの色鉛筆削り(三菱ポケットシャープナー)です。国産の鉛筆削りは切れ味がとても良いですし、大抵の色鉛筆の木軸にぴったりです。
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太軸色鉛筆には、ステッドラー
太軸鉛筆やファーバーカステル・アルブレヒトデューラー、LYRA レンブラントアクアレルは木軸が太いため、国産のシャープナーは使えないことが多いです。
また、ステッドラーの削り口が二つある鉛筆削りも、切れ味も良いですが、色鉛筆用の削り口が大きすぎて、削りながらズレて芯先が折れることがあるため、細めの色鉛筆を削るには向きません。太めの色鉛筆や三角タイプの色鉛筆にぴったりです。
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クーピー用の鉛筆削りは、芯が出過ぎるので、硬い芯の色鉛筆以外は、避けた方が良いです。
「鉛筆削り」のページに、おすすめの鉛筆削りをまとめています。