水彩色鉛筆の使い方。ここでは、水彩(水溶性)色鉛筆の基礎的な使い方から、応用テクニックを紹介します。素敵な水彩色鉛筆画を見て、同じように塗りたくて、買ってみたけれど、思ったように上手く塗れない・・・実は、水彩色鉛筆は、油性色鉛筆とは使い方が全く違うので、ちょっとしたコツがあります。
簡単そうに見える水彩色鉛筆がうまく扱えず、「こんなもんかー」と引き出しの奥にしまう前に、まずは、この記事を読んでみてください。
扱いのコツや使い方を知って、色々な表現ができるようになると、水彩色鉛筆の世界がさらに広がって楽しくなるはずです。
水彩色鉛筆で使う道具
- 水彩色鉛筆(用途にあった色鉛筆を選びます。36色セットぐらいが使いやすい。)
- 紙(水に強く、やや厚めの水彩紙がおすすめ。)
- 水筆(ふつうの筆に水をつけて使用してもOKです。)
- ティッシュや布、スポンジなど(水分の調整に使います。)
- 鉛筆(下書きに使います。Hなどの薄い鉛筆を準備します。)
- 鉛筆削り(必要に応じて準備します。)
- また、カッターナイフやヤスリ、マスキングテープやマスキングインクがあると便利です。
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水彩色鉛筆の基本的な使い方
1、ドライで使う
ドライとは、直接色を塗り、水で溶かさずにそのままで使う方法です。
塗り絵や精密な絵を描く時に多用します。
水彩色鉛筆は油性色鉛筆と比較すると、重ね塗りや混色はできませんが、手軽に楽しめる使い方です。
水溶きしなくても発色の良い色鉛筆(例えば、リラ・レンブラントアクアレル、ステッドラー、サクラ・ウォーターカラー、ヴァンゴッホ 、カランダッシュ、スタビロなど)に向いています。
水彩色鉛筆を見る※ダーウェント・ウォーターカラーは紙への定着が悪いため、ドライでは使用できません。
2、色を塗った上から水筆でなぞる
水彩色鉛筆で色を塗り、次に、水をつけた筆でなぞると、美しく発色します。
ここでは、水をつけすぎないのがコツです。
色鉛筆によっては溶け切らずに線が残りますが、ゴシゴシして無理に溶かさないように。なぜなら、紙が傷んでしまうからです。そして、鉛筆の線が残るのも味です。それでも、線をあまり残したくない場合は、水溶けの良い色鉛筆(ファーバーカステル・アルブレヒトデューラー、ユニ・ウォーターカラー、ダーウェント・ウォーターカラーなど)を使うと良いです。
水彩色鉛筆を見るまた、2色を塗って水で溶かすと、混色ができます。この時に、色を重ねすぎると色が濁ってしまうので注意が必要です。
3、芯から直接、筆で色を取る
色鉛筆から筆で直接色をとり塗ります。この方法では、水溶けの悪い水彩色鉛筆でも、線の跡を残さずに濃く塗る描き方ができます。
筆で直接、輪郭を描く時や、滲みを使った水彩風の表現をしたい時に使います。また、ポイントで入れたい時にもよく使います。さらに、2本の色鉛筆から直接取れば、筆上で混色もできます。
4、別の紙(パレット)を使う。
より大胆に水彩表現をしたい時に便利な使い方です。
この方法では、水彩色鉛筆を絵具のように扱えるので、広い面を塗ったり、様々な水彩技法が使えます。
- まず、別の紙をパレットにして、カッターやヤスリなどで芯を粉状にします。
- 水で溶かして使います。
5、濡らした紙の上に描く
濡らした紙の上に、水彩色鉛筆で直接描くと、濃く色がつきます。
アクセントをつけたいときに使います。また、硬めの水彩色鉛筆だと紙を傷つけやすいので、芯先を尖らせないでやってみてください。
6、一度描いた部分を消す
一度描いたところでも、水をつけた筆で軽く擦ると、色を薄くして消すことができます。
ちなみに、水に強い水彩紙でないと、紙が毛羽立ったり破けたりすることがあるので注意が必要です。また、ダーウェント・インクテンス は、乾いた後は耐水性になるので、この方法で消すことはできません。
水彩色鉛筆は難しい?使い方&テクニック集
水彩色鉛筆がうまく使えない理由とは?ありがちな失敗例と解決方法
<紙が波打ったり、毛羽立ってしまった>
紙は水で濡れると波打ったり、弱くなります。弱くなっている上から、普通の筆圧で描き足したり、ゴシゴシと擦ったりすると、簡単に紙が毛羽立ってます。
- 水彩用の紙を使用すると毛羽立ちにくくなります。
- また、水は少なめに使うか、多く使いたいときはパッドタイプの水彩紙を使います。
- さらに、紙が乾いてから次の作業を行うと紙が傷みにくいです。
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<色が薄くてどうも物足りない>
水彩色鉛筆は水彩絵具と比較すると、顔料の濃度が低いため発色が悪くなってしまいがちです。そのため、基本的には、一度で濃く塗ろうとは思わずに、何度も塗り重ねて色を濃くすることが重要です。重ねる回数は、水彩色鉛筆によって異なります。
- 薄い色鉛筆(ヴァンゴッホ 、カランダッシュ・スプラカラーソフト、ダーウェント・ウォーターカラーなど)ほど色を重ねる回数は多くなり、繊細な濃淡が表現できる。
- 濃く、発色の良い色鉛筆(ファーバーカステル、リラ・レンブラント、ダーウェントインクテンス など)は、水彩絵具に近いので扱いやすい。
<混色したら、色が濁って汚くなった>
色数を多く混ぜすぎたり、白やパステルカラーを混色すると色は濁ります。そのため、直接色を混ぜるのは2色程度にするか、下の色が乾いてから別の色を塗り重ねます。すると、透明感のある混色ができます。
水彩色鉛筆の使い方&テクニック集
技法1、マスキングを使う
- まず、色をつけたくない部分に、マスキングテープやマスキングインクでカバーします。
- 次に、水彩色鉛筆で着色する。
- 最後に、紙が乾いたらマスキングを指でこすって剥がす。
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技法2、色を滲ませる
水彩らしい「滲み」表現は、水をコントロールすることで思った通りの滲みがつくれます。
1、まず、乾いた紙の上に、濃いめに溶いた色を置く。
2、次に、滲ませたい色の縁に筆で水を引くと、水を引いた部分に色が滲んでいきます。この時に、紙を少し傾けておくと、よく水が動いて、キレイに滲みが出ます。
技法3、混色グラデーションをつくる
1、まず、濡れている紙の上に、溶かした色を2色置く。
2、そして、その間を、水をつけた筆で繋ぐと、お互いの色が混じり合ってグラデーションができます。
技法4、ウェット・オン・ウェット
濡れている紙の上に、溶かした色を置いていくと、色が広がります。一般に水彩画の技法として知られています。水の引き方は自由です。そのため、アイデア次第で色々なバリエーションが楽しめます。
1、まず、紙に多めに水を引く
2、次に、濡れている上に色を軽く置いていきます。さらに、異なる色も使うと複雑さが増します。最後にそのまま乾かします。
技法5、ウェット・オン・ドライ
色を塗って、乾いているときに新たな色を重ねる方法です。
滲まさず・色を濁らせずに色を重ねます。
さらに詳しい、リアルな描き方はこちらを参照してください。
いかがだったでしょうか?使い方や色々なテクニックを覚えて、水彩色鉛筆の世界が広がれば良いですね。
使う色鉛筆や紙によって、「できること」や「できないこと」がありますので、色鉛筆選びも検討してください。