水彩色鉛筆で鶏を描く
水彩色鉛筆でリアルな鶏を描く,水彩色鉛筆は油性色鉛筆よりも難しい…と私は思っています。思ったように水をコントロールして、水彩らしい滲みのカッコ良さを出すには、経験やセンスや丁寧さや色々と身に付けないと上手くできないのです。要するに、水彩画って難しいということなんですけど。でも、今回描いた「鶏」は、そんなことは関係ないです。これでもかと描き込む根気があれば、誰でも描けます。
1、用意する物
- 水彩・水溶性色鉛筆:カランダッシュ・スプラカラーソフト、ステッドラー・エルゴソフト (水彩)、ステッドラー・カラトアクェレル、VAN GOGH Water color pencilなど。直描きの線も残したいので、水で溶かさなくても、発色があまり変わらない色鉛筆を選んでいます。色数は24色ぐらいあると便利です。この描き方は、「白」の色鉛筆がある方が便利です。
- 水筆:水筆は、軸部に水を入れて使う筆です。 描画から筆洗いまで、1本で行えるので持ち歩きにも便利。100均でも売っていますし、画材屋さん、文房具屋さんに売っています。
- 紙:今回は「color pencil pad(muse)」水彩も使える色鉛筆用のパッドを使用しています。水彩色鉛筆を使う時は、必ず水彩紙を使います。水彩紙は普通の画用紙よりも強くできているので、水をつけて擦ったりしても紙が毛羽立ちません。紙についてはこちら
- 鉛筆(Hなど薄めのもの)、消しゴム、ウェス、スポンジ(筆の水分を調整するため)
2、描き方
所要時間:3時間 3時間.
鶏はスマホで検索した画像を見ながら描いています。若冲に影響されて選んだモチーフですけど、改めて見ると、キレイな鳥ですよね。
- 下書き
鉛筆で下書きをします。不要な線は消しゴムで消します。
- 明るい色から着色する
まずは黄色。黄色は光を感じる色です。色鉛筆で直接塗ります。筆圧を強くすると、水で溶かした時に色鉛筆の線が残ってしまうので、優しく塗ります。
- 水で溶かす
色鉛筆で着色した部分を、水で溶かします。
- 2、3を繰り返しながら、徐々に色を濃くしていく
作業は紙が完全に乾いてから進めます。水彩紙は案外乾くのが早いので、他の部分を作業しているうちに乾いてしまいます。ドライヤーを使って乾かす時は、十分に距離をとって(50cmぐらい)乾かします。
- 細かいディティールを意識しながら描きこみをする
毛の流れを意識しながら、色鉛筆で直接描き込みます。こうした細かい部分の描きこみが容易なのは、水彩色鉛筆の良いところですね。今回使用している色鉛筆は、水で溶かさなくてもキレイな色なので、場所によっては水溶きしないでおきます。直接描く時は、紙や芯が乾いていることが重要です。
- 混色で中間色を塗る
混色する時は、別の紙をパレット代わりにして使います。絵の上で異なる色を色鉛筆で塗ってから水溶きして混色するよりも、画像のように、紙の上で混色をして、それを画面に置いていった方が、美しく混色できます。
- 濃い色で細かいディティールを追加していく
濃い色ではっきりと塗りたいときは、色鉛筆から直接、筆で色をとります。この方法で混色することもできます。鶏の鶏冠や顔の小さな突起は、一つ一つ小さな点を描くように塗りました。
色鉛筆から直接色をとったあとは、芯が乾くまで直描きできないので注意してください。 - 羽毛の質感を出す
羽毛の重なり合った部分を出します。色鉛筆で直接描きながら、明るい部分と暗い部分をしっかりと出します。影の部分は反対色を入れると奥行きのある影が描けます。
- 上手く描けなかったところを消す。
修正したい部分を、水をつけた筆で擦り絵具を溶かします。その後に筆や布などで拭き取れば色が薄くなり、描き直すことができます。この方法で、かなり白に近い状態まで戻すことができます。こうした修正がとても簡単なのは、水彩色鉛筆の利点ですね。
- 修正部分の描き直し
仕上げに向けて、白でハイライトを入れながら、明るい色を置いていきます。特に、一番見せたい顔は、より際立つように。顔の点々は、一番描きたいところです。これがやりたくて、鶏のモチーフを選びました(笑)
- 鉛筆で線を引く
クチバシの重なった部分は、細くて薄い線がほしかったので、鉛筆を使って引きました。
- できあがり
水彩色鉛筆で鶏を描く,まとめ
いかがだったでしょうか?水彩色鉛筆が得意ではなくても、根気良く描くことで、どうにか形にすることができました。特に難しいテクニックを使っているわけではありません。コツといえば、途中で「上手くいかないな〜」と思っても投げ出さずに、描き続けることです。水彩色鉛筆は、何度も消して描き直せるので、納得いくまで頑張れる画材です。楽しいです。
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